講演情報
[P16-06]能登半島地震による断層変位箇所-珠洲市若山地区-の微動特性
*種井 優斗1、野口 竜也1、香川 敬生1 (1. 鳥取大学)
2024年1月1日に石川県能登地方でM7.6の地震により,石川県珠洲市若山町の若山川沿いにおいて,最大上下変位約2.2mの上下変位を伴う線状の地表変状と,その間に分布する全長約4㎞,幅100-200mで隆起地帯が出現した.そこで著者らは変状がみられた珠洲市若山地区にて稠密な微動観測を実施し,地盤震動特性の把握及び地盤構造の推定を行った.本研究では,微動特性に着目してより詳細な分析を行い,断層変位ごく近傍の地盤震動特性を把握した. 微動観測は3成分一体型の加速型地震計(JU410)を使用し,地表変位箇所において3成分単点観測として,アレイ観測データを含めそのエリアの広域を面的に62地点で実施,L字もしくは直線上に1~40mの間隔でアレイ観測を実施している(種井・他,2025).解析としては,3成分単点観測からはH/Vスペクトルを求め,卓越周期分布やスペクトル形状の連続的な変化について,断層変位箇所との対応を詳細に調べた.アレイ観測データからはSPAC法(Aki,1957)もしくはCCA法(Cho et al.,2006)を用いて位相速度分散曲線を求め,地盤構造を推定し,地表変位ごく近傍の断層構造との対応を調べた.珠洲市若山町中地区においては,H/Vスペクトルについて,地表変位箇所(断層)ごく近傍では,短周期側(0.11-0.18秒)と長周期側(1.71-2.60秒)にピークがみられた.また断層の北側ではH/Vスペクトルの水平成分の異方性もみられ,短周期側のピーク付近ではEW/UDがNS/UDよりも大きくなることがわかった.地盤構造についてはVs=120-230m/sの層に断層の北側と南側で変化がみられ,その層厚は北側が10m,南側が8mであり,断層を境に2mの差があった.今後は位相速度分散曲線の連続性や異方性の特性について詳細に調べ,地表変位ごく近傍での波動場の変化についても検討する予定である.

