講演情報
[P16-09]サイト増幅特性を用いた岡山県の地盤構造の推定
*大橋 優1、金島 亮次2、南方 昭寛2、渡邉 禎貢1、竹中 博士1 (1. 岡山大学、2. 元岡山大学)
地震の揺れによる建物の被害は土台となっている地盤の構造の影響が大きい.岡山県の大半は基盤が浅く揺れにくい地形であるが,県南部には地盤が比較的厚く揺れやすい地域がある.金島・他(2024,JpGU)によるスペクトルインバージョンの結果によると岡山県内の121点の強震観測点のうち約65 %の観測点でサイト増幅特性の高周波が卓越する地盤の薄い特徴を示したが,県南部の岡山平野では低周波の1~3 Hzが10倍以上に増幅する特徴がみられた.しかし,現在のJ-SHIS(防災科学技術研究所)のこの地域の深部地盤構造モデルはこの特徴を再現できない.そこで,より正確な地盤特性を反映した地盤構造モデルが必要である.
本研究の目的は,金島・他(2024)のスペクトルインバージョンにより抽出したサイト増幅特性に地盤構造インバージョンを適用し,岡山県のより現実的な地盤構造モデルを求めることである.本研究では,岡山県全域にわたる地盤のS波速度構造モデルの構築を目指す.インバージョンには焼きなまし法を用いた.その際の初期モデルは,浅部地盤は南方(2025,JpGU)が金島・他(2024)と同じ地震動記録の自己相関解析から得たモデル,深部地盤はJ-SHISの深部地盤構造モデルを参考にして作成した.地盤が厚い観測点では初期モデルと実際の構造との乖離が大きく,データと整合的な構造モデルが求まりにくいため,周辺のボーリング調査の情報や他の観測点の良い結果を参考にして初期モデルを再作成するなどの試行錯誤を行っている.
以下,現時点で求まっている地盤構造モデルの例を示す.図1は,金島・他(2024)による岡山県内全観測点のサイト増幅特性のスペクトル形状に基づくグループ分けである.図2は,各グループから1か所ピックアップした観測点の推定した地盤構造である.グループ1が最も揺れやすくグループ6が最も揺れにくい.1は岡南飛行場,2は真備支所,3は高梁市役所,4は哲西支局,5は美星,6は日生の観測点である.上図の黒線がサイト増幅特性で,それに適合するよう推定した地盤構造が下図の赤線である.青線は初期モデルである.日生は,深さ2 mから約2000 m/sの硬い地盤があるような揺れにくい構造になった.美星は約1500 m/s付近の層が約100 mあり日生よりは揺れやすい構造になった.哲西支局は約1000 m/sの層が約100 mあり,美星よりも揺れやすくなっている.高梁市役所では地盤全体が324.4 mと厚い.真備支所と岡南飛行場のモデルは,現時点ではデータへの適合度がまだ十分とは言えずさらに改善が必要である.求まった地盤構造の傾向として,これらの結果のように,基本的にはグループ6が最も揺れにくく,グループ1が最も揺れやすい構造になると考えられる.また,求まった基盤深度は,岡山県のほぼ全域でJ-SHISの深部地盤構造モデル最上層(600 m/s層)の下面深度より深くなった.
謝辞:防災科学技術研究所のK-NETとKiK-net,気象庁,岡山県震度情報ネットワークシステム及び岡山理科大学の強震観測点で得られた強震動波形記録と,J-SHIS深部地盤構造モデルを使用しました.本研究の一部は,東京大学地震研究所・京都大学防災研究所,拠点間連携共同研究プログラムの援助を受けました.
キーワード:地盤構造,スペクトルインバージョン,強震記録,岡山県
Keywords:Sedimentary structure,Generalized inversion technique,Strong-motion record,Okayama Prefecture
本研究の目的は,金島・他(2024)のスペクトルインバージョンにより抽出したサイト増幅特性に地盤構造インバージョンを適用し,岡山県のより現実的な地盤構造モデルを求めることである.本研究では,岡山県全域にわたる地盤のS波速度構造モデルの構築を目指す.インバージョンには焼きなまし法を用いた.その際の初期モデルは,浅部地盤は南方(2025,JpGU)が金島・他(2024)と同じ地震動記録の自己相関解析から得たモデル,深部地盤はJ-SHISの深部地盤構造モデルを参考にして作成した.地盤が厚い観測点では初期モデルと実際の構造との乖離が大きく,データと整合的な構造モデルが求まりにくいため,周辺のボーリング調査の情報や他の観測点の良い結果を参考にして初期モデルを再作成するなどの試行錯誤を行っている.
以下,現時点で求まっている地盤構造モデルの例を示す.図1は,金島・他(2024)による岡山県内全観測点のサイト増幅特性のスペクトル形状に基づくグループ分けである.図2は,各グループから1か所ピックアップした観測点の推定した地盤構造である.グループ1が最も揺れやすくグループ6が最も揺れにくい.1は岡南飛行場,2は真備支所,3は高梁市役所,4は哲西支局,5は美星,6は日生の観測点である.上図の黒線がサイト増幅特性で,それに適合するよう推定した地盤構造が下図の赤線である.青線は初期モデルである.日生は,深さ2 mから約2000 m/sの硬い地盤があるような揺れにくい構造になった.美星は約1500 m/s付近の層が約100 mあり日生よりは揺れやすい構造になった.哲西支局は約1000 m/sの層が約100 mあり,美星よりも揺れやすくなっている.高梁市役所では地盤全体が324.4 mと厚い.真備支所と岡南飛行場のモデルは,現時点ではデータへの適合度がまだ十分とは言えずさらに改善が必要である.求まった地盤構造の傾向として,これらの結果のように,基本的にはグループ6が最も揺れにくく,グループ1が最も揺れやすい構造になると考えられる.また,求まった基盤深度は,岡山県のほぼ全域でJ-SHISの深部地盤構造モデル最上層(600 m/s層)の下面深度より深くなった.
謝辞:防災科学技術研究所のK-NETとKiK-net,気象庁,岡山県震度情報ネットワークシステム及び岡山理科大学の強震観測点で得られた強震動波形記録と,J-SHIS深部地盤構造モデルを使用しました.本研究の一部は,東京大学地震研究所・京都大学防災研究所,拠点間連携共同研究プログラムの援助を受けました.
キーワード:地盤構造,スペクトルインバージョン,強震記録,岡山県
Keywords:Sedimentary structure,Generalized inversion technique,Strong-motion record,Okayama Prefecture

