講演情報

[P18-02]断層パラメタの直感的理解のためのビーチボール立体模型の開発

*麻生 尚文1、伊倉 真論1、日下部 秀太1 (1. 東京理科大学)
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地震の断層すべりは、走向角・傾斜角・すべり角といった断層パラメタによって表現される。そのため、与えられたパラメタから断層すべりの具体的な様子をイメージすることは極めて重要である。しかしながら、両者の関係は直感的に把握しにくく、初学者にとって学習上の障壁となるだけでなく、専門家にとっても正確に捉えるには高度な経験が求められる。さらに、断層すべりは一般にP波初動の押し引きに対応する4象限型ビーチボールとして表現されるため、断層パラメタ・断層すべり・ビーチボール表現を関連付けて理解するための研究補助ツールや教育教材の整備が必要とされている。

この課題に対し、我々は断層パラメタ・断層すべり・ビーチボール表現の対応関係を直感的に理解できる立体模型を開発してきた(伊倉・麻生[2025])。この模型は、地球儀のように震源球を回転させ、星座早見盤のように断層パラメタの目盛りを合わせることで、断層パラメタと断層すべり、そしてビーチボール表現との関係を自らの手で確認できるよう設計されている。CADモデルは既にウェブ上で公開しており、研究者や教育現場で自由に利用可能である。

今回さらに、模型をより直感的に組み立て・操作できるよう改良を施した。具体的には、傾斜角の目盛りをこれまでの取り外し式からフレーム一体型にして、常に角度を確認できるようにした。また、あらかじめ各パラメタの目盛りを枠に刻んでおくことで、正確な計測ができるようになった。さらに、3Dプリンタで出力しやすいように複数パーツに分割した。組み立てに際しては接着剤やネジを用いず、ピンによって固定できる構造としたことで、誰でも簡便に組み立てられるよう工夫している。改良版は研究者への配布をすでに開始しており、今後は実際の使用経験に基づくフィードバックをもとに、教育的効果や研究支援ツールとしての有用性をさらに高めることを目指している。

伊倉 真論・麻生 尚文 (2025), 震源球の三次元模型による可視化, 地震, 77, 81–86, doi:10.4294/zisin.2024-8.