講演情報
[P22-08]Fourier Neural Operatorを用いた波形に基づく深部低周波地震の震源決定
*加藤 慎也1、Ross Zachary2、長尾 大道1 (1. 東京大学地震研究所、2. California Institute of Technology)
深部低周波地震(DLF)は、通常の地震に比べて卓越周波数が2–8 Hzと低く、初期P波振幅が小さく、S波以降に大きな振幅を示し、かつ長い継続時間を持つという特異な特徴を示す。そのため、一般的な地震解析で用いられるP波・S波の到着時刻のピッキングに基づく震源決定手法は適用が難しく、震源決定精度の向上が大きな課題となってきた。DLFはプレート境界や火山活動と密接に関連していることが知られており、その発生メカニズムの理解や時空間分布の把握は地震発生過程の解明に不可欠である。このような背景から、DLFの高精度震源決定を実現する新たなアプローチが求められている。
本研究では、この問題に対処するため、full waveform inversion(FWI)とautomatic differentiation(AD)を組み合わせることで、走時読み取りを必要としない震源決定手法を提案する。FWIは波形全体の情報を活用できる強力な手法であるが、従来は計算コストの高さが実用上の制約となっていた。そこで、深層学習を用いたサロゲートモデルを構築し、波形計算の効率化を図った。そのために、本研究では、Helmholtz方程式の解を近似するサロゲートモデルを作成した。本研究で用いたサロゲートモデルは、U-shape Fourier Neural OperatorとGraph Neural Operatorを組み合わせたものである(Zou et al., 2024)。本モデルは、入力としてP波・S波速度構造と震源位置を受け取り、所定の周波数における複素数波動場を出力する。学習データは数値シミュレーションにより作成し、多様な震源位置や速度構造に対して汎用的に適用できるよう設計した。このような深層学習ベースのアプローチにより、従来の数値計算に比べて大幅な計算時間の短縮が可能となる。 震源位置を推定には、予測した波動場と観測された波動場の違いを評価する損失関数を設定する。そして、その損失関数が震源座標によってどのように変化するかを、自動微分(AD)を使って計算する(Zou et al., 2024)。これにより、観測波形とモデルによる予測波形の類似度を通じて震源決定を行うことができる。この枠組みは、従来の到着時刻に依存した方法に比べて、走時読み取りが困難なDLFに適したアプローチといえる。
本発表では提示した手法が、FWIとADを活用したデータ駆動型の新しい震源決定フレームワークであり、DLFの震源決定に有効であることを示す。
本研究では、この問題に対処するため、full waveform inversion(FWI)とautomatic differentiation(AD)を組み合わせることで、走時読み取りを必要としない震源決定手法を提案する。FWIは波形全体の情報を活用できる強力な手法であるが、従来は計算コストの高さが実用上の制約となっていた。そこで、深層学習を用いたサロゲートモデルを構築し、波形計算の効率化を図った。そのために、本研究では、Helmholtz方程式の解を近似するサロゲートモデルを作成した。本研究で用いたサロゲートモデルは、U-shape Fourier Neural OperatorとGraph Neural Operatorを組み合わせたものである(Zou et al., 2024)。本モデルは、入力としてP波・S波速度構造と震源位置を受け取り、所定の周波数における複素数波動場を出力する。学習データは数値シミュレーションにより作成し、多様な震源位置や速度構造に対して汎用的に適用できるよう設計した。このような深層学習ベースのアプローチにより、従来の数値計算に比べて大幅な計算時間の短縮が可能となる。 震源位置を推定には、予測した波動場と観測された波動場の違いを評価する損失関数を設定する。そして、その損失関数が震源座標によってどのように変化するかを、自動微分(AD)を使って計算する(Zou et al., 2024)。これにより、観測波形とモデルによる予測波形の類似度を通じて震源決定を行うことができる。この枠組みは、従来の到着時刻に依存した方法に比べて、走時読み取りが困難なDLFに適したアプローチといえる。
本発表では提示した手法が、FWIとADを活用したデータ駆動型の新しい震源決定フレームワークであり、DLFの震源決定に有効であることを示す。
