講演情報

[P23-01]山口県北部における地殻深部の群発地震活動

*河野 葉子1、加藤 愛太郎1 (1. 東京大学地震研究所)
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2025年2月下旬以降、山口県北部において群発的な地震活動が活発化している。本群発地震は、通常は地震が発生しにくい地殻深部(深さ約30 km)で発生している点や、活動に先立って深部低周波地震が観測された点など、一般的な地震活動と比べて特異な特徴を示す。本研究の目的は、地殻深部における群発地震発生の要因と、それに関与すると考えられる流体の挙動および特性を明らかにすることである。
解析には、研究対象地域を中心とする半径約60 kmの範囲で、2025年1月以降に取得された連続地震波形データを用いた。これらのデータにPhasenet(Zhu &Beroza, 2019)を適用してP波・S波の到達時刻を抽出し、グリッドサーチ法(Zhang et al. 2019)によりイベントを検出した。その後、hypomh(Hirata & Matsu’ura, 1987)を用いて震源を決定した。その結果、気象庁が決定した数を上回るイベントが検出された。
検出されたイベントは、東西約10 km、南北約15 kmの範囲に分布し、深さ約20〜33 kmにクラスターを形成していた。また、地震活動は時間の経過とともに北方へ移動し、とくに3月から4月にかけては下部地殻内の浅部へ移動する傾向が認められた。今後は、複数イベントの相対走時差データを用いることで、より高精度な震源決定を行う予定である。

謝辞:本研究では、防災科学技術研究所Hi-netおよび気象庁で管理・運営されている観測点の地震波形データを使用した。