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[P25-02]遠地P波のバックプロジェクション解析を用いた2025年カムチャツカ半島地震における周波数依存した地震波放射過程

*垂水 洸太郎1、吉澤 和範1 (1. 北海道大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)
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2025年7月30日8:24:50(JST),カムチャツカ半島でMw 8.8の巨大地震が発生した.この地震によって励起された津波は,日本やハワイなど世界中で観測され,多大な影響をもたらした.この地震についてUSGSによる有限断層インバージョンや長周期表面波(3–10 mHz)の振幅分布から,震源からほぼスラブの走向に沿って南西方向に破壊が進展したと考えられる(https://earthquake.usgs.gov/earthquakes/eventpage/us6000qw60/finite-fault).本研究では, スラブ形状モデル(Slab2; Hayes et al., 2017, Science)を基に,スラブ上面に波源グリッドを置き,複数の周波数帯域(0.02–0.1 Hz; 0.03–0.3 Hz; 0.05–0.5 Hz; 0.1–1.0 Hz; 0.3–2.0 Hz)での遠地P波のバックプロジェクション解析(BP)を行い,震源域からの地震波放射過程を推定した.

まず,周波数帯域に依存しない共通した特徴として,震源時刻から約180秒間でP波放射源が南西方向に約450 kmほどユニラテラルに移動する様子が見られた.この放射源の移動速度は時間発展と共に変化するが,平均的に2.5 km/s程度であり,sub-Rayleigh波速度で破壊が伝播したことが示唆される.低周波帯域のP波(0.02–0.1 Hz; 0.03–0.3 Hz; 0.05–0.5 Hz)の波源は,初めの80秒ほどで震源(深さ30 km)から浅部の海溝側へ移動したのち,南西方向に移動し,約120秒後から震源から南西約400km地点の浅部(深さ0–10 km)に至ることがわかった.特に0.03–0.3 Hzの波源はほぼ地表付近に位置しており,津波励起に寄与した断層滑りを反映していると考えられる.一方,高周波帯域のP波(0.1–1.0 Hz; 0.3–2.0 Hz)は,破壊開始直後40–60秒後までは震源より深部側から放射されていた.その後は,主に低周波P波の放射源が弱くなる領域から高周波P波が放射される様子がみられた.