講演情報
[S03-06]SGO-A観測網が示す南海トラフのプレート境界浅部の状態
*横田 裕輔1、石川 直史2、渡邉 俊一3、永江 航也3、中村 優斗3 (1. 東京大学生産技術研究所、2. 海上保安大学校、3. 海上保安庁海洋情報部)
海上保安庁が運用するGNSS-A観測網SGO-Aは10年以上の長期にわたって南海トラフの海底地殻変動を捉えてきた.近年,AAR法 (Acoustic Ambiguity Reduction法, Yokota et al., 2024, EPS) の開発によって上下動の精度が向上し,長期的な変動を捉えることが可能となった.また近年,Hori et al. (2021, EPS) によって3Dグリーン関数ライブラリが整備され,容易に南海トラフのプレート境界のすべり欠損分布を妥当な構造モデルを用いて推定できるようになった.本研究では,石川ほか (2022, JpGU) で構築されたMCMCを用いたシンプルな推定手法に基づいてプレート境界のすべり欠損分布を推定した.時間変化を可視化するために,直近11年間のデータに対し4年ごとの移動時間窓で合計8期間の変動速度を導出し,それらを用いて各期間のすべり欠損を求めた.SGO-Aデータにくわえて,GEONETデータも用いている.Yokota et al. (2016, Nature) の際には水平動データのみを用いたが,ここでは上下動データも合わせて用いた.
結果として,陸域近傍の深度10~15 km付近の速いすべり欠損速度の領域は11年間でほぼ変化していないことが示された.ただし,そのすべり欠損速度は東西方向で違いが大きく,高知沖で速く,東海沖で低い速度であった.浅部側は東海沖の一部の領域以外はすべり欠損速度が変化しており,常時固着とは言えない状態であった.Yokota and Ishikawa (2020, Science Advances) での検討時点ではGNSS-A時系列データに時間変化がほぼなかった高知沖や東海沖でも時間変化が見られた.東海沖では陸域GNSSデータからも変動が見られることが示されており (Kikuchi et al., 2025, PEPS),関連するイベントである可能性がある.
謝辞:本研究は,東京大学地震研究所の公募研究ERI JURP 2024-Y-KOBO12,セコム科学技術財団,JSPS科研費 学術変革A ”Slow to Fast地震学”のJP21H05200の支援を受けました.
結果として,陸域近傍の深度10~15 km付近の速いすべり欠損速度の領域は11年間でほぼ変化していないことが示された.ただし,そのすべり欠損速度は東西方向で違いが大きく,高知沖で速く,東海沖で低い速度であった.浅部側は東海沖の一部の領域以外はすべり欠損速度が変化しており,常時固着とは言えない状態であった.Yokota and Ishikawa (2020, Science Advances) での検討時点ではGNSS-A時系列データに時間変化がほぼなかった高知沖や東海沖でも時間変化が見られた.東海沖では陸域GNSSデータからも変動が見られることが示されており (Kikuchi et al., 2025, PEPS),関連するイベントである可能性がある.
謝辞:本研究は,東京大学地震研究所の公募研究ERI JURP 2024-Y-KOBO12,セコム科学技術財団,JSPS科研費 学術変革A ”Slow to Fast地震学”のJP21H05200の支援を受けました.
