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[S09-13]今日の稠密な計測震度分布と、明治大正時代の体感震度分布の比較による、古い地震の震源推定の試み

*浜田 信生1 (1. なし)
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1885年から1925年の日本の地震活動について宇津(1979)は1926年以降の約600個の主な地震の震度分布を比較参考にし、おおむねM6以上の地震のカタログを作成し、気象庁地震カタログが1919年まで拡張された後も、引き続き明治大正時代の地震活動を示すカタログとして利用されている。一方1995年兵庫県南部地震M7.3をきっかけに我が国では4000点にも及ぶ稠密な計測震度計による震度観測網が形成され、50地点以上の観測点で震度が得られた地震は今日まで5000個以上に達している。これら最近の地震の震度分布を比較参考にすれば、より正確な震源、或いはM6以下の地震の震源も推定可能ではないかと期待される。最近の資料も用いて震度分布の直接の比較によりどの程度、震源を絞り込むことが可能か幾つかの事例で検証した。
 過去の体感による震度観測では、自治体(郡役所など)や篤志家による全国約2000点以上に達する区内観測点からの震度の報告が行われてきたが(津村(1998))、 しかし比較には色々な問題がある。一つは現在の震度階と当時の震度階の違いがある。現在の計測震度とその基となった体感震度が定まったのは1930年代初めであり、それまでは微震(震度1)、弱震(2,3)、強震(4,5)、烈震(6以上)の区別は測候所では統一的に定められていたようであるが、区内観測点からの報告では地域、時代により違いがあり、また報告される観測点にも偏りが見られるので、解釈には注意が必要である。昔の郡役所は今日の自治体の観測点と重なる場合も多いが、一般には現在と過去の震度観測点は場所が異なり、地盤条件も同じとはいえない。今回の調査では試みとして6km以内の距離にある観測点の震度を比較し、震度の差に関する標準偏差、震央距離-震度の関係の適合度などを指標として震度分布の似通った地震を調査した。
1904年下総北部の地震の震度分布(中)と最もよく似た震度分布を示す最近の地震の震央と震度分布(右)を示す。この場合参考になる候補の地震も多く、ほぼ茨城県南部の深さ50km前後の地震である可能性が高い。同様に比較例が多い地震活動の活発な地域で発生した過去の地震については震源の推定は容易であるが、そうでない地域や深発地震については対比が難しい。
調査にあたっては気象庁ホームページ、地震調査研究推進本部データベースの資料を活用しました。
参考文献   宇津徳治(1979)、 1885年から1925年の日本の地震活動、地震研究所彙報、54巻、253-308.
津村建四朗、(1998)、明治時代の地震資料のデータベース化に関する研究.科学研究費補助金研究成果報告書,60 pp.