講演情報

[S09-15]四国中央部におけるDASを用いた高精度な震源決定

*高橋 拓未1、加藤 愛太郎2、Zhang Ji2、篠原 雅尚2 (1. 東京大学大学院、2. 東京大学地震研究所)
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高精度な震源決定は、断層形状を含む地震活動の時空間分布を理解する上で重要である。そのためには、多数の観測点における地震波走時データが必要となる。分散型音響センシング (DAS) 技術は高い空間密度での観測を可能にし、より正確な震源決定に寄与する。本研究ではDAS観測で測定された走時データにHypoDD (Waldhauser & Ellsworth, 2000) を適用し、クラスター地震の震源を再決定した。HypoDDは、震源近傍を除けば複数の地震に対する地震波の伝播経路がほぼ同一であると仮定し、走時差(double differences)を用いて相対的な震源位置を高精度に推定する手法である。
本研究では、2024年1月中旬から3月末まで、四国中央部の国道沿いに設置された2本の独立した光ファイバーケーブルを使用して実施したDAS観測データを用いて解析を行った。各ケーブルの総延長は53.8 kmと60.8 kmである。ゲージ長は13.47 m、チャンネル間隔は4.96 m、サンプリング周波数は200 Hzに設定して観測を行った。解析対象は、気象庁震源カタログに記録されたケーブル周辺のクラスター地震5イベントに加え、テンプレートマッチング法により検出された4つの微小地震である。各イベントについてP波・S波の到達時刻を目視で読み取り相対走時差を算出したのち、同一チャンネルでの波形相互相関関数を用いて補正を行った。再決定された震源の深さは3~5 kmで、気象庁震源カタログと比べて約5 km浅い位置に決定された。この結果は、DASで得られたP波とS波の伝播時間の差から推定された深さと整合した。また、再決定された9イベントのうち8つは、水平距離300 m以内に集中しており、三波川帯と北部四万十帯の地質構造境界に位置すると考えられる。