講演情報

[S09-16]2023年の伊豆大島北部における火山性地震の時空間分布

*荒川 日南子1、麻生 尚文1 (1. 東京理科大学)
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活火山では、噴火の前後に地震活動が活発化する例が報告されており、地震活動と火山活動を同時に理解することは重要である。伊豆大島では、これまで約20~30年の間隔で大規模な噴火が発生しており、地震学的・測地学的な観測が行われてきている。特に、前回の噴火から約40年が経過しており、最近の地震活動を正確に把握することは防災上も重要である。本研究では、2023年の9月下旬と10月上旬に伊豆大島北部で発生した2つの群発地震を対象に、震源分布の詳細な時空間変化を解析した。データには、防災科学技術研究所の火山観測網V-net、東京大学地震研究所の観測点、および我々が伊豆大島に設置した臨時観測点2点を含む、計18観測点を使用した。Matched Filter法により、気象庁カタログに報告されていない微小地震を多数検出し、合計で2,560イベントを抽出した。そのうち287イベントについて、Double Difference法により震源再決定を行った。解析の結果、震源は北西—南東方向に延びる2本の線状構造に沿って分布していた。9月下旬の群発地震では両クラスターが同時に活動し、南東方向への震源移動が確認された。一方、10月上旬の群発地震では北側クラスターの中央から活動が始まり、北西および南東方向へと拡大した後、南側クラスターでも同様の震源移動が見られた。このような時空間変化は、マグマや火山ガスの移動に伴う群発地震活動である可能性を示唆している。また、これらの活動の時期には地殻変動からもマグマ溜まりの収縮を示す動きが確認されており、火山活動との関連性が強く支持されている。