講演情報
[S09-18]広周波数帯域にわたる繰り返しトラップドア型断層破壊の類似性
*三反畑 修1、武村 俊介1 (1. 東京大学地震研究所)
伊豆・小笠原弧に位置する海底火山,スミスカルデラでは,モーメントマグニチュード(Mw)5級の地震が繰り返し発生している.2018年のやや小さいMw 5.4の地震を除けば,1984年,1996年,2006年,2015年,2024年に発生した地震はMw 5.6–5.7とほぼ同規模であり,おおよそ10年の顕著な周期性を示している.これらの繰り返し発生する中規模地震は,compensated linear vector dipole (CLVD) 成分が卓越し,張力軸がほぼ鉛直方向を示す非ダブルカップル型のモーメントテンソルで特徴づけられる.中規模地震の割に効率的に津波を引き起こすことが知られており,その要因は地下のマグマ過剰圧により駆動されるカルデラ内部の「トラップドア断層破壊」にあると考えられている(Sandanbata et al., 2022).
本研究では,F-netおよびDONETで観測された地震波形(周期0.2–200秒)と津波波形(100–500秒)を解析し,これらの地震の類似性を相関係数や振幅などを用いて検討した.その結果,1996年,2015年,2024年の地震(いずれもMw 5.7)は解析周波数帯全体でほぼ同一の波形を示し,震源の幾何学的広がりや破壊過程がきわめて類似していることが明らかとなった.一方で,2006年の地震(Mw 5.6)や2018年のやや小規模な地震(Mw 5.4)では長周期成分であっても観測波形に差異がみられ,震源特性に若干の差異があることがわかった.
さらに,類似現象の発生が報告されているNew Zealandのカーティスカルデラ(Sandanbata et al., 2023)と,伊豆・小笠原島弧の北硫黄島カルデラ(Sandanbata & Saito, 2024a; 2024b)においても,繰り返し発生する中規模地震の地震波形の類似性を,それぞれNew Zealand周辺の広帯域地震観測網とF-netを用いて同様に調べた.その結果,カーティスカルデラで2009年と2017年に発生したMw 5.8の地震は,ほぼ同一の波形を示した.また,Mw 5.2–5.3の地震が2008年,2010年,2015年,2017年,2019年とやや不規則に発生する北硫黄島カルデラにおいては,2008年,2015年,2019年の地震が極めて高い類似性を示した.類似した3つのイベントと比べると,2010年と2017年の地震波形には明瞭な差異が確認された.
以上の結果から,スミスカルデラとカーティスカルデラにおける周期的なトラップドア型断層破壊は,長期的に繰り返し地震的な現象が発生しているとわかった.これは,安定したマグマ供給によってカルデラ内部の断層が周期的に再活動し,ほぼ同一の震源断層でのすべりが繰り返されるためと考えられる.一方で,北硫黄島カルデラでは類似性が極めて高い地震と低い地震が交互に発生しており,同カルデラ内には複数の断層セグメントが存在してそれぞれおおよそ独立して繰り返し活動している可能性が支持される(Sandanbata & Saito, 2024b).
本研究では,F-netおよびDONETで観測された地震波形(周期0.2–200秒)と津波波形(100–500秒)を解析し,これらの地震の類似性を相関係数や振幅などを用いて検討した.その結果,1996年,2015年,2024年の地震(いずれもMw 5.7)は解析周波数帯全体でほぼ同一の波形を示し,震源の幾何学的広がりや破壊過程がきわめて類似していることが明らかとなった.一方で,2006年の地震(Mw 5.6)や2018年のやや小規模な地震(Mw 5.4)では長周期成分であっても観測波形に差異がみられ,震源特性に若干の差異があることがわかった.
さらに,類似現象の発生が報告されているNew Zealandのカーティスカルデラ(Sandanbata et al., 2023)と,伊豆・小笠原島弧の北硫黄島カルデラ(Sandanbata & Saito, 2024a; 2024b)においても,繰り返し発生する中規模地震の地震波形の類似性を,それぞれNew Zealand周辺の広帯域地震観測網とF-netを用いて同様に調べた.その結果,カーティスカルデラで2009年と2017年に発生したMw 5.8の地震は,ほぼ同一の波形を示した.また,Mw 5.2–5.3の地震が2008年,2010年,2015年,2017年,2019年とやや不規則に発生する北硫黄島カルデラにおいては,2008年,2015年,2019年の地震が極めて高い類似性を示した.類似した3つのイベントと比べると,2010年と2017年の地震波形には明瞭な差異が確認された.
以上の結果から,スミスカルデラとカーティスカルデラにおける周期的なトラップドア型断層破壊は,長期的に繰り返し地震的な現象が発生しているとわかった.これは,安定したマグマ供給によってカルデラ内部の断層が周期的に再活動し,ほぼ同一の震源断層でのすべりが繰り返されるためと考えられる.一方で,北硫黄島カルデラでは類似性が極めて高い地震と低い地震が交互に発生しており,同カルデラ内には複数の断層セグメントが存在してそれぞれおおよそ独立して繰り返し活動している可能性が支持される(Sandanbata & Saito, 2024b).
