講演情報

[S10-03]能登半島西方沖の羽咋沖西断層周辺における臨時地震観測と震源再決定

*平松 良浩1、石田 聡史2、上山 エイジ2、野原 幸嗣2、田中 康久3、川崎 慎治3、佐藤 比呂志4 (1. 金沢大学、2. 北陸電力株式会社、3. 地球科学総合研究所、4. 東京大学)
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2024年11月26日に、同年1月1日に発生した令和6年能登半島地震(M7.6)の震源域に隣接する石川県西方沖でM6.6の地震が発生した。石川県西方沖には、羽咋沖西断層、羽咋沖東断層などの海底活断層が位置する(地震調査研究推進本部, 2025)。M7.6の地震によるクーロン破壊応力変化は、これらの海底活断層では正となり、M6.6の地震発生前でも地震数が増加していた(平松, 2025)。平松(2025)では定常観測点データを用いてDouble Difference法(DD法、Waldhauser and Ellsworth, 2000)による震源再決定を行い、M6.6の地震が羽咋沖西断層で発生した可能性を指摘した。しかし、用いられた定常観測点はM6.6の地震の震源域から離れており、震源の深さに関する信頼性は低いという問題点があった。

より高精度な震源決定を目的として、M6.6の地震の震源域周辺において臨時地震観測を実施した。海域では7台のGeospace社製のノード型海底地震計(OBX、3成分速度型地震計GS-ONE(固有周期15Hz)およびハイドロフォンMP18BHを搭載)を10×20 kmの範囲に約5 km間隔で設置した。OBX設置範囲の東方の沿岸部には3台のLennartz社製の3成分地震計LE-3D(固有周期1Hz)を約10km間隔で配置した。観測は2025年7月3日から開始し、8月25日まで実施予定である。

一時回収した2025年7月3日から21日における観測データを用いて気象庁一元化震源リストに基づく88イベントの波形を対象に初動読み取りを実施した。一次処理としてWINシステムの自動ピックを適用し、Hi-net観測点の検測値を参照しながらP波およびS波の初動時刻、極性、最大振幅値を手動で読み取った。震源決定ではO-C残差(観測走時と計算走時の差)の平均により補正値を更新する手順を3回繰り返す観測点補正を適用した。最終的な観測点補正値を用いて得られた震源位置に対し、波形相関に基づく走時差を用いたDD法による震源再決定を行った。

速報的な震源再決定結果では、M6.6の震源域における震源分布は概ね西傾斜であり、羽咋沖西断層へと連続するような震源分布が見られた。本発表では観測期間全体の気象庁震源リストに基づく全イベントを対象とした震源再決定を実施し、その結果に基づきM6.6の地震と羽咋沖西断層との関係について報告する。