講演情報
[S17-02]津波痕跡高・地殻変動データと非線形ジョイントインバージョン法による2024年能登半島地震の断層モデル
*上谷 政人1、馬場 俊孝2 (1. 東京大学地震研究所、2. 徳島大学)
2024年1月1日、石川県能登半島で発生したM7.6(気象庁)の地震により、日本海沿岸の広範囲で津波が観測された。地殻変動や観測施設の損傷により、津波波形を記録できなかった地点も存在した。これまでに、線形インバージョン法と津波波形を使用した断層モデルが提案されている(Fujii and Satake, 2024)。 しかし、この手法では非線形性の強い津波痕跡高を扱うことができず、とくに新潟県上越市などで観測された局所的に高い津波の再現には限界があった。そこで本研究では、非線形インバージョン法と津波痕跡高・地殻変動データを用いて、津波痕跡高・地殻変動・津波波形を再現する断層モデルの構築を目的とする。
津波の伝播・遡上計算には非線形長波式を採用した。計算時間は6時間、計算時間幅は0.1秒、マニングの粗度係数は0.025 s/m^(1/3)と設定した。地形データには、格子間隔が最大2430mから最小10mまでの 6層ネスティングシステムを使用した。レーベンバーグ・マーカート法(Levenberg, 1944; Marquardt, 1963)による非線形インバージョン法を用いた。インバージョンに使用する初期断層モデルとしてはMLIT(2014)のF42およびF43断層を採用し、地殻変動の再現性向上のためF43西側の断層を3つの小断層に分割した。観測データは、Yuhi et al. (2024) が公開した津波痕跡高データのうち信頼度A・Bのもの、および二木ほか(2024)によって調査された舳倉島の津波痕跡高データを使用した。地殻変動データは国土地理院のデータをもとに作成した53地点・3成分のデータを用いた。津波波形データは検証のみに使用し、NOWPHAS・国土地理院・UNESCO IOCから取得した6時間分(1分間隔)のデータにフィルタ処理を施して利用した。
インバージョンの結果、Mw7.58の断層モデルを得た。本モデルでは、F42西側の断層で5mを超えるすべり、能登半島西側に位置するF43西側の小断層でも7mを超えるすべりが推定された。観測値と計算値の一致度を示すVR(Variance Reduction)は、津波痕跡高で93%、地殻変動で92%であり、いずれも良好であった。さらに津波波形をインバージョンに直接用いなかったにもかかわらず、複数地点の観測波形を良好に再現した。以上の結果は、非線形インバージョン法を用いることで、潮位計などの津波観測機器が存在しない地点の津波痕跡高が震源モデル構築に重要なデータセットとなりうることを示している。
津波の伝播・遡上計算には非線形長波式を採用した。計算時間は6時間、計算時間幅は0.1秒、マニングの粗度係数は0.025 s/m^(1/3)と設定した。地形データには、格子間隔が最大2430mから最小10mまでの 6層ネスティングシステムを使用した。レーベンバーグ・マーカート法(Levenberg, 1944; Marquardt, 1963)による非線形インバージョン法を用いた。インバージョンに使用する初期断層モデルとしてはMLIT(2014)のF42およびF43断層を採用し、地殻変動の再現性向上のためF43西側の断層を3つの小断層に分割した。観測データは、Yuhi et al. (2024) が公開した津波痕跡高データのうち信頼度A・Bのもの、および二木ほか(2024)によって調査された舳倉島の津波痕跡高データを使用した。地殻変動データは国土地理院のデータをもとに作成した53地点・3成分のデータを用いた。津波波形データは検証のみに使用し、NOWPHAS・国土地理院・UNESCO IOCから取得した6時間分(1分間隔)のデータにフィルタ処理を施して利用した。
インバージョンの結果、Mw7.58の断層モデルを得た。本モデルでは、F42西側の断層で5mを超えるすべり、能登半島西側に位置するF43西側の小断層でも7mを超えるすべりが推定された。観測値と計算値の一致度を示すVR(Variance Reduction)は、津波痕跡高で93%、地殻変動で92%であり、いずれも良好であった。さらに津波波形をインバージョンに直接用いなかったにもかかわらず、複数地点の観測波形を良好に再現した。以上の結果は、非線形インバージョン法を用いることで、潮位計などの津波観測機器が存在しない地点の津波痕跡高が震源モデル構築に重要なデータセットとなりうることを示している。
