講演情報
[S23-05]下部地殻で発生した山口県萩市の群発地震:地震移動の駆動源に関するひとつの考察
*中島 淳一1、宮崎 一希2、末永 伸明2、東 真太郎1、吉岡 祥一2,3 (1. 東京科学大学、2. 神戸大学都市安全研究センター、3. 神戸大学大学院理学研究科惑星学専攻)
群発地震は数日から数ヶ月、ときには数年にわたって同規模の地震が多数発生する活動である。群発地震は火山地域で発生することが多いが、能登半島のような非火山地域で発生することもあり、また通常は地震が発生しないとされている下部地殻での活動も少なくない。群発地震では顕著な震源の移動が観測されることが多く、多くの研究ではその駆動源として高間隙流体の拡散が考えられている。しかしながら、流体の拡散が長時間続くためには深部からの継続的な流体の供給が必要であるが、流体供給の実体はよくわかっていない。
本研究では山口県萩市下で活発化した群発地震に注目する。萩市下では2025年2月1日に最初の地震が発生して以降、7月末までに約5000の地震が発生した。最大のマグニチュードは2.3で、ほとんどはM1以下の小さな地震である。この群発地震には以下のような興味深い特徴がみられる。1) 過去25年間に地震が全く起こっていない場所(深さ)で地震が発生した。 2) 地震の深さ25~40 kmは日本列島下の地震発生層より明らかに深い。3) 深さ約40 kmで発生した低周波地震から一連の活動が始まった。4) 複雑な震源移動を示している。5) 活動開始から約1ヶ月後に震源域直下の深さ70 kmで複数個の地震が連続して発生した。
2025年6月末までに発生した地震に対して、震源再決定、波形の周波数成分(FI)の評価、Sコーダ波の減衰率の推定などを行い、群発地震の空間的・時間的特徴を精査した。その結果、FIには系統的な特徴がみられない一方でコーダ波減衰率には地域性が存在することが明らかになった。このことは震源域の短波長不均質構造は空間的に大きく変化していることを強く示唆している。地震発生場の特徴を理解するために、レシーバー関数解析による陸のモホ面の深さ推定、フィリピン海プレートの沈み込みによる2次元温度構造モデリング、および地殻の強度断面の作成を行う予定である。講演ではこれら一連の解析結果を紹介し、群発地震活動の駆動源について議論する。
本研究では山口県萩市下で活発化した群発地震に注目する。萩市下では2025年2月1日に最初の地震が発生して以降、7月末までに約5000の地震が発生した。最大のマグニチュードは2.3で、ほとんどはM1以下の小さな地震である。この群発地震には以下のような興味深い特徴がみられる。1) 過去25年間に地震が全く起こっていない場所(深さ)で地震が発生した。 2) 地震の深さ25~40 kmは日本列島下の地震発生層より明らかに深い。3) 深さ約40 kmで発生した低周波地震から一連の活動が始まった。4) 複雑な震源移動を示している。5) 活動開始から約1ヶ月後に震源域直下の深さ70 kmで複数個の地震が連続して発生した。
2025年6月末までに発生した地震に対して、震源再決定、波形の周波数成分(FI)の評価、Sコーダ波の減衰率の推定などを行い、群発地震の空間的・時間的特徴を精査した。その結果、FIには系統的な特徴がみられない一方でコーダ波減衰率には地域性が存在することが明らかになった。このことは震源域の短波長不均質構造は空間的に大きく変化していることを強く示唆している。地震発生場の特徴を理解するために、レシーバー関数解析による陸のモホ面の深さ推定、フィリピン海プレートの沈み込みによる2次元温度構造モデリング、および地殻の強度断面の作成を行う予定である。講演ではこれら一連の解析結果を紹介し、群発地震活動の駆動源について議論する。
