講演情報
[S25-10]2025年7月30日カムチャッカ半島地震(Mw8.8)による火山噴火の誘発の可能性
*西村 太志1 (1. 東北大学)
2025年7月30日にカムチャッカ半島でMw8.8の巨大地震が発生した。地震発生から1週間で、カムチャッカ半島にあるクリュチェフスコイ火山やクラシェニンニコフ火山の噴火発生が報じられている。クリュチェフスコイ火山は2000年代に20回近くの噴火を起こし、大地震の発生前の2025年5月から噴火活動が始まっていた。一方、クラシェニンニコフ火山は、直前の噴火が1550年ごろとされ、およそ500年ぶりの噴火発生である。今回、これらの火山の噴火誘発の可能性について議論すると共に、そのほかの火山の噴火の誘発について検討する。
Nishimura (2021)は、信頼性の高い世界規模のデータベースであるコロンビア大学によるCMT解とスミスソニアン博物館が収集するGlobal Volcanism Programによる噴火発生のデータベースを調べた。1976年から2010年に全世界で発生したM6以上の地震について、その発生前後の爆発指数(VEI)2以上の噴火の発生数をカウントした。その結果、世界全体のデータを重合してみると、大地震により0.5micro strainの膨張場となる火山では、マグマ上昇が起きやすい状況になったことを示唆する。大地震の発生から10年ほどの間は、火山噴火の発生頻度が2-3倍高まることがわかった。膨張場はマグマ内の揮発性物質が発泡しやすくする効果があり、マグマ上昇が起きやすい状況になったことと整合的である。
カムチャッカ半島地震のCMT解をもとに、クリュチェフスコイ火山とクラシェニンコフ火山の体積ひずみの変化量を調べると、前者は膨張場、後者は圧縮場となる。ただ、その振幅は極めて小さく0.01 micro strain以下であった。Mw8.8の巨大地震は、断層長500 km,最大変位15mの断層も推定されている(IEPT RAS、USGSのホームページより)。そこで、USGSが報告している断層面上のすべり量分布の図を読み取り、断層面上に与えたモーメント解から大地震の周辺の地殻変動量を計算した。その際、7月20日Mw7.5の地震による効果も取り入れた。その結果、大地震から遠方のクリュチェフスコイ火山の結果は大きく変わらない一方、より近くにあるクラシェニンコフ火山は0.2micro strainの膨張場となった。この振幅はやや小さいが、信頼度の高い断層上のすべり分布を取り入れて検討することが必要である。
カムチャッカ半島には、約70の第四紀火山がある。今回のMw8.8の大地震により0.5 micro strain以上の膨張場にある火山に着目すると、1900年以降のVEI2以上の噴火の発生数は1年当たり0.8回程度である。VEI 2以下の噴火も対象に含めれば、今後、毎年数回の噴火が発生すると見積もることができる。
Nishimura (2021)は、信頼性の高い世界規模のデータベースであるコロンビア大学によるCMT解とスミスソニアン博物館が収集するGlobal Volcanism Programによる噴火発生のデータベースを調べた。1976年から2010年に全世界で発生したM6以上の地震について、その発生前後の爆発指数(VEI)2以上の噴火の発生数をカウントした。その結果、世界全体のデータを重合してみると、大地震により0.5micro strainの膨張場となる火山では、マグマ上昇が起きやすい状況になったことを示唆する。大地震の発生から10年ほどの間は、火山噴火の発生頻度が2-3倍高まることがわかった。膨張場はマグマ内の揮発性物質が発泡しやすくする効果があり、マグマ上昇が起きやすい状況になったことと整合的である。
カムチャッカ半島地震のCMT解をもとに、クリュチェフスコイ火山とクラシェニンコフ火山の体積ひずみの変化量を調べると、前者は膨張場、後者は圧縮場となる。ただ、その振幅は極めて小さく0.01 micro strain以下であった。Mw8.8の巨大地震は、断層長500 km,最大変位15mの断層も推定されている(IEPT RAS、USGSのホームページより)。そこで、USGSが報告している断層面上のすべり量分布の図を読み取り、断層面上に与えたモーメント解から大地震の周辺の地殻変動量を計算した。その際、7月20日Mw7.5の地震による効果も取り入れた。その結果、大地震から遠方のクリュチェフスコイ火山の結果は大きく変わらない一方、より近くにあるクラシェニンコフ火山は0.2micro strainの膨張場となった。この振幅はやや小さいが、信頼度の高い断層上のすべり分布を取り入れて検討することが必要である。
カムチャッカ半島には、約70の第四紀火山がある。今回のMw8.8の大地震により0.5 micro strain以上の膨張場にある火山に着目すると、1900年以降のVEI2以上の噴火の発生数は1年当たり0.8回程度である。VEI 2以下の噴火も対象に含めれば、今後、毎年数回の噴火が発生すると見積もることができる。
