Presentation Information
[2Ip02]Evaluation of the state of water in saccharide solutions by infrared/far infrared spectroscopy
*Daitaro Ishikawa1, Saya Higashikata2, Natsumi Shichishima1, Yang Jiamin1, Tomoyuki Fujii1 (1. Grad. Agric., Tohoku univ. , 2. Fac. Agric., Tohoku univ.)
Keywords:
IR/FIR spectroscopy,two state model
【背景・目的】近年、液体の水が、直線的な水素結合と歪んだ水素結合の二状態からなる水素結合ネットワークを形成している可能性が示されてきた。振動分光法は、水の水素結合状態に鋭敏であり、4000-3000cm-1付近のOH伸縮振動領域には偏光性を示すバンド(collective band, 直線的な水素結合に対応)と非偏光バンド(歪んだ水素結合に対応)が存在することが知られている。さらに、我々はこれまで注目されていなかった1000-100cm-1領域の遠赤外スペクトルの解析から、水の二状態モデルを支持する実験的証拠を示すことに成功した。
本研究では、1000-100cm-1の遠赤外分光スペクトルと4000-3000cm-1付近の赤外分光スペクトルから、水分子の状態を反映する分光マーカーを導出し、糖水溶液中の水の存在状態を評価することを試みた。
【方法】試料として、11種類の糖を選び濃度数段階で水溶液を調製した。4000~100cm-1の赤外/遠赤外分光スペクトルを、1回反射のATR法で測定した。波数分解能4cm-1、積算回数256回とした。
【結果および考察】糖水溶液の赤外分光スペクトルには、3210、3380㎝-1付近と520、700㎝-1付近にそれぞれバンドが観測された。これらの波数位置の強度を用い、水の構造を評価するIRパラメータとしてA3210/(A3210+A3380)値とFIRパラメータとしてAhigh/(Alow +Ahigh)値を選定し計算した。さらにIR、FIRパラメータと糖のモル分率のプロットにおいてその傾きから、部分モル量を算出したところ、IRパラメータの部分モル量は、11種すべての糖において正となり、NMR測定から算出された動的水和数との間に正の相関が認められた。FIRパラメータの部分モル量は10種類の糖で正であったが、1種類の糖で負の値を示し、動的水和数との間に負の相関が認められた。以上の結果から、糖水溶液中の水の状態は、IRパラメータに反映される短距離の相互作用からなる第一水和領域とFIRパラメータによって反映される長距離の相互作用からなる第二水和領域を形成している可能性が示唆された。
本研究では、1000-100cm-1の遠赤外分光スペクトルと4000-3000cm-1付近の赤外分光スペクトルから、水分子の状態を反映する分光マーカーを導出し、糖水溶液中の水の存在状態を評価することを試みた。
【方法】試料として、11種類の糖を選び濃度数段階で水溶液を調製した。4000~100cm-1の赤外/遠赤外分光スペクトルを、1回反射のATR法で測定した。波数分解能4cm-1、積算回数256回とした。
【結果および考察】糖水溶液の赤外分光スペクトルには、3210、3380㎝-1付近と520、700㎝-1付近にそれぞれバンドが観測された。これらの波数位置の強度を用い、水の構造を評価するIRパラメータとしてA3210/(A3210+A3380)値とFIRパラメータとしてAhigh/(Alow +Ahigh)値を選定し計算した。さらにIR、FIRパラメータと糖のモル分率のプロットにおいてその傾きから、部分モル量を算出したところ、IRパラメータの部分モル量は、11種すべての糖において正となり、NMR測定から算出された動的水和数との間に正の相関が認められた。FIRパラメータの部分モル量は10種類の糖で正であったが、1種類の糖で負の値を示し、動的水和数との間に負の相関が認められた。以上の結果から、糖水溶液中の水の状態は、IRパラメータに反映される短距離の相互作用からなる第一水和領域とFIRパラメータによって反映される長距離の相互作用からなる第二水和領域を形成している可能性が示唆された。
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