講演情報
[2A09]『ALPS処理水海洋放出後の水産物に対する女性消費者の意識』(2) 異なる意識を持つ消費者群の解明
*鈴木 崇史1、神谷 真美2 (1. 鹿児島大学水産学部、2. ウイメンズ・エナジー・ネットワーク(WEN))
キーワード:
ALPS処理水、海洋放出、女性消費者、科学情報、福島県産水産物、購入意向
本研究は、日常生活に存在する様々なリスクに対する意識が異なる女性消費者が、ALPS処理水の放出や科学情報、放出後の福島産水産物に対して抱く意識の解明を目的とした。18~79歳の女性約800名を対象に、2024年7月にWENが実施したWEB調査の結果を解析した。リスクへの恐怖心の強さに関する回答へ主成分分析を行い、各回答者の主成分得点を算出した。この得点を用いてクラスター分析を行ったところ、放射線を含むリスクへの恐怖心が強い・中程度・弱い消費者群が抽出された。このうち、平均年齢が高い恐怖心が強い群と、年齢の偏りが少ない中程度の群は、リスクの理解に科学情報が有用だと考えていた。処理水放出後の福島産水産物に対しても、安全性が確認できれば購入する意向を示した。しかし、30代以下が大半を占める恐怖心が弱い群は、科学情報の有用性を認めず、福島産水産物の購入意向も低いという異なる傾向が明らかになった。