講演情報

[11教-ポ-39]保健体育科教員養成課程における模擬授業が実践的知識の獲得に及ぼす影響に関する事例的研究教師役、生徒役、観察役を経験する順序に着目して

*大村 悠真1、松本 佑介2、冨岡 宏健1,3、福田 健太郎4、齊藤 一彦5 (1. 広島大学大学院博士課程前期、2. 大阪成蹊大学、3. 広島大学附属三原中学校、4. 広島大学附属三原中・高等学校、5. 広島大学)
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教員養成課程で育成が目指されている実践的指導力の基盤は,人間の成長・発達についての深い理解や,教科等に関する専門的知識(文部科学省,2006)といった実践的知識である。そして,学生の実践的知識の獲得において重要な役割を担っているのが模擬授業である。とりわけ保健体育科教員養成課程における体育科の模擬授業は,運動・スポーツに関する知識や教授方法,教材に関する知識を総合的に獲得するために有効な手段である。しかし,模擬授業において,学生が教師役,生徒役,観察役を経験する過程で,多角的・複合的な実践的知識に獲得するための順序については検討されていない。
 以上から,本研究では,保健体育科教員養成課程の学生が模擬授業を通じて獲得した実践的知識について,学生が経験した役割の順序をもとに授業リフレクションの記述を比較し,その差異を明らかにすることとした。この目的を達成するために,保健体育科教員養成の学生が初めて教師として授業を実施する学部2年生の教科及び教科の指導法に関する科目を受講している学部2年生54名を対象とした。実践的知識と授業リフレクションの関わりとして,授業リフレクションは,自身の実践的知識をもとに授業に対する問題意識を成熟させることで反省的思考を促し,問題解決を目指すプロセスである。このことから,その記述に学生の実践的知識が表出すると考えられる。そこで,授業リフレクションの記述を収集し,分析対象とした。分析方法として,濱本ほか(2020)が作成した「体育の授業における知識カテゴリー」をもとに,テンプレート・コーディングを援用し,役割を経験した順序をもとに比較を行った。なお,分析した結果については当日発表を行う。

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