講演情報
[P009]薬学部1年次生を対象としたコミュニケーション体験学習プログラムの実践
【発表者】畑 友佳子1、高橋 達雄1 (1. 北陸大学薬学部)
【目的】「薬学教育モデル・コアカリキュラム(コアカリ)」に基づく6年制薬学部教育が2006年に開始され、人間を理解するためのヒューマニティ教育(心理、倫理、コミュニケーション)の重要性が増した。さらに、最新の令和4年度改訂版コアカリにおいては、社会の求める薬剤師像が豊かな人間性に基づく姿であることがより明確となっている。本学では、学年や科目を横断した様々なプログラムを通じて薬学生として身につけておくべきヒューマニティ教育を実践してきた。そのうち「コミュニケーション能力」について、知識と実践を結びつけた“使える能力”として身につけることを目的とし、1年次生を対象とした体験学習プログラムを開発、実践した。
【方法】2024年度入学生を対象とし、薬学部1年次に通年で開講される「基礎ゼミナールⅠ」において、“市販薬を買い求める患者シナリオ”を4パターン用意し、患者役と薬剤師役とに分かれロールプレイングを実施した。活動時には、6年次生SAを6名配置し、1年次生のサポートを行った。なお、1年次生は事前にコミュニケーションの基本的な事項についての講義を受講している。コミュニケーションに関する授業実施前後でのコミュニケーション能力の自己評価や振り返りレポートの記述について解析を行い、教育効果を測定した。
【結果と考察】全体的に、授業後のコミュニケーション能力の自己評価のスコアは高くなり、学生は能力の向上を感じていた。特に、授業前に自身のコミュニケーション能力を低く評価していた学生ほど、授業後のスコアが高くなる傾向が見られた。また、振り返りレポートには、6年次生を身近なロールモデルと捉え、学修意欲が向上したとの記載が多く見られた。これらのことから、1年次より知識のみならず臨床を意識した体験学習を実施することは、薬学生としての自覚、モチベーションの維持・向上をもたらし、上級年次の学修意欲へとつながる、良い方略であったと考えられた。しかしながら、2024年度の実践では、ロールプレイングに至るまでのグループワークの内容や6年次SAの1年次生への関わり方等、改善すべき点も明らかとなった。それらを踏まえ、授業改善を行い2025年度に当該プログラムを実践するため、その結果についても報告する予定である。
【方法】2024年度入学生を対象とし、薬学部1年次に通年で開講される「基礎ゼミナールⅠ」において、“市販薬を買い求める患者シナリオ”を4パターン用意し、患者役と薬剤師役とに分かれロールプレイングを実施した。活動時には、6年次生SAを6名配置し、1年次生のサポートを行った。なお、1年次生は事前にコミュニケーションの基本的な事項についての講義を受講している。コミュニケーションに関する授業実施前後でのコミュニケーション能力の自己評価や振り返りレポートの記述について解析を行い、教育効果を測定した。
【結果と考察】全体的に、授業後のコミュニケーション能力の自己評価のスコアは高くなり、学生は能力の向上を感じていた。特に、授業前に自身のコミュニケーション能力を低く評価していた学生ほど、授業後のスコアが高くなる傾向が見られた。また、振り返りレポートには、6年次生を身近なロールモデルと捉え、学修意欲が向上したとの記載が多く見られた。これらのことから、1年次より知識のみならず臨床を意識した体験学習を実施することは、薬学生としての自覚、モチベーションの維持・向上をもたらし、上級年次の学修意欲へとつながる、良い方略であったと考えられた。しかしながら、2024年度の実践では、ロールプレイングに至るまでのグループワークの内容や6年次SAの1年次生への関わり方等、改善すべき点も明らかとなった。それらを踏まえ、授業改善を行い2025年度に当該プログラムを実践するため、その結果についても報告する予定である。