講演情報
[P015]薬学生がアドバンス・ケア・プランニングを自分事として学ぶための教育的アプローチ —ボードゲーム活用の実践報告—
【発表者】西村 亜佐子1、横田 達之2,3、石井 洋介2,3、芝田 信人1 (1. 同志社女子大学薬学部医療薬学科医療製剤学研究室 (日本)、2. 株式会社omniheal (日本)、3. 医療法人社団おうちの診療所 (日本))
【目的】
アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning:ACP)は、病状の変化や療養環境の変化に備えて、患者本人とその家族、医療・ケアチームが将来の医療・ケアについて繰り返し対話を行い、本人の意思決定を支援する重要なプロセスである。薬剤師にとっても、服薬支援や価値観に寄り添う対応が求められる場面であり、その理解と実践が今後ますます重要になる。一方、薬学生にとってACPは遠い将来の話として捉えられがちであり、実感を持って学ぶことは容易ではない。そこで本研究では、ACPを自分事として捉え、薬剤師としての将来の関わりを考えるきっかけを提供するために、体験型教材としてボードゲームを活用した教育を導入したので、その内容を報告する。
【方法】
2024年度および2025年度、本学薬学部6年生を対象に、“セルフメディケーション・在宅医療特論”講義の1項目として、ボードゲームを使用してACPについて学ぶ機会を取り入れた。ボードゲームは、株式会社omnihealが運営するヘルスケアコミュニティ「SHIP」有志メンバーが開発した「エンディングゲーム」を活用した。講義では、まずACPに関する基礎知識のレクチャー後、ゲームを実施させた。ゲームは、学生が職業や性格が異なる6人のキャラクターの中から1人を選び、すごろく形式で人生を進める。「このキャラクターならどう考えるだろう」と各ライフイベントでの意思決定を考えると共に、学生自身の人生に置き換えて考えられるよう設計されている。2024年度には講義後に自由記述による感想を収集、2025年度は事前・事後アンケートにより、ACPに関する理解度・成熟度、行動意欲、自己効力感とその理由などの変化を測定する。
【結果・考察】
2024年度の自由記述では、「価値観の違いを体感できた」「患者の背景を考える視点が得られた」「家族とも話してみようと思った」など、ACPを自分事として捉える反応が多数得られた。2025年度のアンケートにより得られたデータについては定性的・定量的な解析を行い、ポスター発表当日に詳述する。本教育活動は、薬学生がACPをより主体的に学び、薬剤師としての役割や姿勢を具体的に考える機会となる可能性があり、今後の薬学教育における体験型ACP教材としての有用性が期待される。
アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning:ACP)は、病状の変化や療養環境の変化に備えて、患者本人とその家族、医療・ケアチームが将来の医療・ケアについて繰り返し対話を行い、本人の意思決定を支援する重要なプロセスである。薬剤師にとっても、服薬支援や価値観に寄り添う対応が求められる場面であり、その理解と実践が今後ますます重要になる。一方、薬学生にとってACPは遠い将来の話として捉えられがちであり、実感を持って学ぶことは容易ではない。そこで本研究では、ACPを自分事として捉え、薬剤師としての将来の関わりを考えるきっかけを提供するために、体験型教材としてボードゲームを活用した教育を導入したので、その内容を報告する。
【方法】
2024年度および2025年度、本学薬学部6年生を対象に、“セルフメディケーション・在宅医療特論”講義の1項目として、ボードゲームを使用してACPについて学ぶ機会を取り入れた。ボードゲームは、株式会社omnihealが運営するヘルスケアコミュニティ「SHIP」有志メンバーが開発した「エンディングゲーム」を活用した。講義では、まずACPに関する基礎知識のレクチャー後、ゲームを実施させた。ゲームは、学生が職業や性格が異なる6人のキャラクターの中から1人を選び、すごろく形式で人生を進める。「このキャラクターならどう考えるだろう」と各ライフイベントでの意思決定を考えると共に、学生自身の人生に置き換えて考えられるよう設計されている。2024年度には講義後に自由記述による感想を収集、2025年度は事前・事後アンケートにより、ACPに関する理解度・成熟度、行動意欲、自己効力感とその理由などの変化を測定する。
【結果・考察】
2024年度の自由記述では、「価値観の違いを体感できた」「患者の背景を考える視点が得られた」「家族とも話してみようと思った」など、ACPを自分事として捉える反応が多数得られた。2025年度のアンケートにより得られたデータについては定性的・定量的な解析を行い、ポスター発表当日に詳述する。本教育活動は、薬学生がACPをより主体的に学び、薬剤師としての役割や姿勢を具体的に考える機会となる可能性があり、今後の薬学教育における体験型ACP教材としての有用性が期待される。