講演情報
[P084]薬学部四年生における学修支援の試みと薬剤師国家試験までの追跡調査
【発表者】三反崎 聖1、渡辺 和樹1、山際 教之1、岡田 裕子1、本間 成佳1、伊藤 政明1、信田 智哉1、森 哲哉1 (1. 高崎健康福祉大学薬学部 (日本))
【目的・背景】本学では、4年生を対象に、問題演習を中心とした通年科目を開講しており、繰り返し視聴できるようオンライン形式で実施している。2020年度と2021年度の学生の成績とオンライン講義の受講状況について分析したところ、成績不振の学生ほどオンラインの講義を活用できていないことが明らかとなった。そこで、2022年度からは成績不振者を対象に、対象者の成績向上を目的として、上記通年科目を活用した学修支援プログラムを実施してきた。2023年度の4年生に実施した学修支援プログラムの効果については、第9回日本薬学教育学会において報告した。今回は、2022年度に学修支援プログラムを受けた学生のその後の状況について報告する。また、得られた結果に基づきこれからの学修支援について考察する。
【方法】2022年度の4年次学修支援プログラム対象となった成績不振学生(全79名、うち支援対象学生29名)と未実施だった2021年度の成績不振学生(全105名、うち支援対象と同程度の成績の学生19名)について、6年卒業時の薬剤師国家試験の合否および留年・退学・卒業延期になった割合を比較した。なお、未実施だった2021年度の成績不振学生の抽出は、2022年度と同様の基準に基づき行った。
【結果・考察】4年次に学修支援プログラム対象学生のうち、第110回薬剤師国家試験合格者の割合は41.4%であった。一方、学修支援プログラムを実施していなかった2021年度の4年生のうち、成績不振学生の第109回薬剤師国家試験の合格者の割合は5.3%であった。また、留年・退学・卒業延期となった学生の割合は、2022年度4年次の学修支援プログラム対象学生では55.2%、学修支援プログラム未実施の2021年度4年次の成績不振学生では78.9%であった。なお、4年次以降の5年次と6年次の学年全体を対象とした学修支援は、いずれも同様であった。したがって、2022年度の4年生へ実施した学修支援プログラムにより、学修支援対象者の自己調整学習を促し、その後の学習への取り組みなどに対してプラスに働いた可能性がある。今回は4年次での学習支援プログラムであったが、今後は6年次までのより長期間のプログラムの有効性を検証したり、また学業面でつまずく学生の学習成果を向上させるために、低学年からの積極的な学修支援プログラムを検討したい。
【方法】2022年度の4年次学修支援プログラム対象となった成績不振学生(全79名、うち支援対象学生29名)と未実施だった2021年度の成績不振学生(全105名、うち支援対象と同程度の成績の学生19名)について、6年卒業時の薬剤師国家試験の合否および留年・退学・卒業延期になった割合を比較した。なお、未実施だった2021年度の成績不振学生の抽出は、2022年度と同様の基準に基づき行った。
【結果・考察】4年次に学修支援プログラム対象学生のうち、第110回薬剤師国家試験合格者の割合は41.4%であった。一方、学修支援プログラムを実施していなかった2021年度の4年生のうち、成績不振学生の第109回薬剤師国家試験の合格者の割合は5.3%であった。また、留年・退学・卒業延期となった学生の割合は、2022年度4年次の学修支援プログラム対象学生では55.2%、学修支援プログラム未実施の2021年度4年次の成績不振学生では78.9%であった。なお、4年次以降の5年次と6年次の学年全体を対象とした学修支援は、いずれも同様であった。したがって、2022年度の4年生へ実施した学修支援プログラムにより、学修支援対象者の自己調整学習を促し、その後の学習への取り組みなどに対してプラスに働いた可能性がある。今回は4年次での学習支援プログラムであったが、今後は6年次までのより長期間のプログラムの有効性を検証したり、また学業面でつまずく学生の学習成果を向上させるために、低学年からの積極的な学修支援プログラムを検討したい。