講演情報
[P088]薬学部6年生を対象とした学修に関する個人面談による不安の軽減効果の検証
【発表者】井上 信宏1、山内 理恵1、江上 佳那1、大野 修司1、久保 元1、山﨑 正博1 (1. 星薬科大学 (日本))
【目的】近年、個人面談は学生を教育する上で必要かつ重要な大学機能の一つとなっている。多くの大学が学生相談室を設け、学生生活全般や学修に関する悩みなど様々な相談を受け付けており、その成果が報告されている。これまで薬学部で行われた学修相談に関する研究として、6年次の早期に面談を1回実施することで、学業成績が向上したことが報告されている。薬学部において、個人面談は多くの大学で行われているものと考えられるが、ほとんどの場合その効果を検証するには至っていないと推測される。より質の高い薬学教育を実践するためには、個別対応の指導方法についても常に振り返り評価する必要がある。そこで本研究では、学修に関する個人面談の実践が学業成績の向上に寄与するだけでなく、学生の精神的健康の改善にも寄与していると仮説を立て、個人面談の実施前後における「学習への不安感」を測定し、個人面談による不安の軽減効果を検証した。
【方法】2024年度6年生を対象に、星薬科大学薬学教育研究部門の教員との面談を希望した学生に対し個人面談を実施した。「学修への不安感」として、「学修への自信」「課題把握」「学修意欲」「学修への不安」の4項目を評価した。面談前に、右端を最も良い状態、左端を最も悪い状態と記した10 cmの直線(visual analog scale, VAS)が書かれた調査票を学生に渡し、面談の実施前と実施後に今の自身の状態と対応する回答値(cm)を記録させた。なお、面談実施前に研究の内容について文書を用いて説明し、参加の同意を得た者にのみ調査への回答を依頼した。本研究は星薬科大学倫理審査委員会の承認を得ている。
【結果及び考察】2024年4月から2025年2月にかけ、延べ250件の面談を行い、168枚の調査票を回収した。4項目のうち、「学修への自信」の平均回答値(面談前/面談後)は2.82/4.94と最も低く、次に「学修への不安」が3.14/5.11、「課題把握」が3.85/6.24、「学修意欲」が5.08/7.06となった。面談を行うことで、「学習への不安感」を測定したすべての項目が改善することが示された。面談に来る学生は、国家試験の受験を目前に控えるため学修への意欲はある程度有しているが、自信のなさと不安があるため教員の支援を受けに来ていると考えられた。
【方法】2024年度6年生を対象に、星薬科大学薬学教育研究部門の教員との面談を希望した学生に対し個人面談を実施した。「学修への不安感」として、「学修への自信」「課題把握」「学修意欲」「学修への不安」の4項目を評価した。面談前に、右端を最も良い状態、左端を最も悪い状態と記した10 cmの直線(visual analog scale, VAS)が書かれた調査票を学生に渡し、面談の実施前と実施後に今の自身の状態と対応する回答値(cm)を記録させた。なお、面談実施前に研究の内容について文書を用いて説明し、参加の同意を得た者にのみ調査への回答を依頼した。本研究は星薬科大学倫理審査委員会の承認を得ている。
【結果及び考察】2024年4月から2025年2月にかけ、延べ250件の面談を行い、168枚の調査票を回収した。4項目のうち、「学修への自信」の平均回答値(面談前/面談後)は2.82/4.94と最も低く、次に「学修への不安」が3.14/5.11、「課題把握」が3.85/6.24、「学修意欲」が5.08/7.06となった。面談を行うことで、「学習への不安感」を測定したすべての項目が改善することが示された。面談に来る学生は、国家試験の受験を目前に控えるため学修への意欲はある程度有しているが、自信のなさと不安があるため教員の支援を受けに来ていると考えられた。