講演情報
[P023]VR技術を用いた動物実習教育の新たなアプローチ
【発表者】戸田 雄大1,2、建部 卓也1、高崎 浩太郎1、吉田 卓史1、吉田 貴行1、菊地 真実1、亀井 美和子1 (1. 帝京平成大学 薬学部 (日本)、2. 帝京平成大学 シミュレーション教育研究センター (日本))
【目的】動物を用いた実験手技の習得や実験内容の理解を目的とする動物実習は、薬学部生が薬物の作用を理解・修得するうえで必須であり、本学では3年生前期に「生物系実習II」として開講している。しかしながら、従来の実習方法において、「手技説明の際、距離が遠く、詳細な手技が伝わりにくい」など様々な問題がある。また、3Rの原則遵守に対する配慮も必須である。一方近年、教育機関においてVirtual Reality (VR)を用いた学習の推進が進められている。本研究では上記問題の解決とともにVRの利活用による教育効果の向上、および3Rの原則遵守への従来以上の寄与について検討した。
【方法】初めに、マウスの取り扱いおよびマウスに対する各種薬物投与手法(腹腔内投与、経口投与および皮下投与)に関する実写VR教材を作成した。実習スケジュールの都合上、「先にVR実習を行い、後にマウスへの投与を伴う実習にのぞむグループ」と「先にマウスへの投与を伴う実習を行い、後にVR実習にのぞむグループ」に分けて実施し、VR実習直後に無記名のアンケートを行った。アンケート内容は、前半の193名中96名は、1.「VRを使用した事があるか」、2. 「感想など」の2つとした。後半の193名中97名においては、「VRを用いた実習は、実験手技の習得に役に立ったと感じたか?」の項を追加した。
【結果】アンケートの結果より、VRを使用したことがあると回答した学生は193名中54名(28.0%)であった。「VRを用いた実習は、実験手技の習得に役に立ったと感じたか?」について、感じた及びやや感じたと回答した学生は97名中93名(95.9%)であった。また、「感想など」の項より、先にVR実習グループと後にVR実習グループとの間にVRが学修効果に及ぼす影響に違いがあるか解析したが、両グループの間に大きな違いはなかった。
【考察】動物実習においてVRを導入したことにより、教育効果は従来以上に向上した可能性が考えられた。さらに、3Rの原則遵守の観点においても、VRの利活用はその一助となることが分かった。以上のことから、動物実習へのVRの利活用は、改善点も存在するものの、総じて有意義かつ有用であることが分かった。今後、教育効果の定量・明確化を目指し、VRを併用した実習の計画およびアンケート項目の改善・策定を行う予定である。
【方法】初めに、マウスの取り扱いおよびマウスに対する各種薬物投与手法(腹腔内投与、経口投与および皮下投与)に関する実写VR教材を作成した。実習スケジュールの都合上、「先にVR実習を行い、後にマウスへの投与を伴う実習にのぞむグループ」と「先にマウスへの投与を伴う実習を行い、後にVR実習にのぞむグループ」に分けて実施し、VR実習直後に無記名のアンケートを行った。アンケート内容は、前半の193名中96名は、1.「VRを使用した事があるか」、2. 「感想など」の2つとした。後半の193名中97名においては、「VRを用いた実習は、実験手技の習得に役に立ったと感じたか?」の項を追加した。
【結果】アンケートの結果より、VRを使用したことがあると回答した学生は193名中54名(28.0%)であった。「VRを用いた実習は、実験手技の習得に役に立ったと感じたか?」について、感じた及びやや感じたと回答した学生は97名中93名(95.9%)であった。また、「感想など」の項より、先にVR実習グループと後にVR実習グループとの間にVRが学修効果に及ぼす影響に違いがあるか解析したが、両グループの間に大きな違いはなかった。
【考察】動物実習においてVRを導入したことにより、教育効果は従来以上に向上した可能性が考えられた。さらに、3Rの原則遵守の観点においても、VRの利活用はその一助となることが分かった。以上のことから、動物実習へのVRの利活用は、改善点も存在するものの、総じて有意義かつ有用であることが分かった。今後、教育効果の定量・明確化を目指し、VRを併用した実習の計画およびアンケート項目の改善・策定を行う予定である。