講演情報
[P116]パーキンソン病療養者の薬剤師に対する要望と背景との関連
【発表者】岡部 陽香1、中島 園美1 (1. 神戸薬科大学薬学部)
【目的】パーキンソン病(Parkinson's disease,以下PD)は進行性の神経変性疾患であり、多剤併用や服薬管理の複雑さから薬剤師による支援の重要性が高まっている。本研究では、PD療養者を対象に薬剤師への要望を明らかにし、PD療養者の背景要因との関連を分析することで、今後の薬剤師による支援のあり方を検討することを目的とした。
【方法】PD療養者6名を対象に、フェイスシートおよび薬剤師役割要望尺度で構成した質問紙調査を行った。フェイスシートでは、年齢、性別、主な介護者、要介護度、サービス利用状況、家族の支え、相談相手、服薬数を問うた。薬剤師役割要望尺度は、PD療養者が薬剤師に対してどのような支援を望んでいるかを把握する目的で独自に作成した。5つの下位尺度「服薬管理」「薬剤師の専門知識への期待」「チーム医療」「コミュニケーション」「相談」で計24項目から構成され、回答は4件法で求めた。統計分析はSPSSを用いた。
【結果】家族の支えの有無による比較では、「チーム医療」(r=-.60)「コミュニケーション」(r=-.61)「相談」(r=-.61)「服薬管理」(r=-.60)下位尺度において効果量が大きく、家族の支えがないPD療養者の方がこれらに関する薬剤師の関与に対して要望が高い傾向が示された。疾患の相談相手の違いによる比較では、「薬剤師の専門知識への期待」下位尺度において効果量が大きく(r=-.60)、相談相手に医師を選んだPD療養者は薬剤師に対する専門的な支援への要望が高い傾向が示された。
【考察】家族の支えが乏しいPD療養者では、「チーム医療」としては薬剤師に対して医師や看護師との“仲介役”としての関与を求める傾向や雑談や親切で共感的な言葉がけという「コミュニケーション」、薬剤師による「相談」も要望されていることが明らかになった。そして、副作用や飲み合わせの説明や情報提供、かかりつけ薬剤師サービスといった「服薬管理」も求められていた。家族の支えが乏しい場合は、薬剤師は単なる服薬支援者にとどまらず、医療者間の橋渡しや日常的な安心感を提供するキーパーソンとしての役割が強く期待されていると考えられる。また、疾患に関する相談相手が医師である群は専門的な情報取得への意欲が高いと考えられ、薬剤師にもPDの専門知識を取得しての支援を期待していることが推測された。
【方法】PD療養者6名を対象に、フェイスシートおよび薬剤師役割要望尺度で構成した質問紙調査を行った。フェイスシートでは、年齢、性別、主な介護者、要介護度、サービス利用状況、家族の支え、相談相手、服薬数を問うた。薬剤師役割要望尺度は、PD療養者が薬剤師に対してどのような支援を望んでいるかを把握する目的で独自に作成した。5つの下位尺度「服薬管理」「薬剤師の専門知識への期待」「チーム医療」「コミュニケーション」「相談」で計24項目から構成され、回答は4件法で求めた。統計分析はSPSSを用いた。
【結果】家族の支えの有無による比較では、「チーム医療」(r=-.60)「コミュニケーション」(r=-.61)「相談」(r=-.61)「服薬管理」(r=-.60)下位尺度において効果量が大きく、家族の支えがないPD療養者の方がこれらに関する薬剤師の関与に対して要望が高い傾向が示された。疾患の相談相手の違いによる比較では、「薬剤師の専門知識への期待」下位尺度において効果量が大きく(r=-.60)、相談相手に医師を選んだPD療養者は薬剤師に対する専門的な支援への要望が高い傾向が示された。
【考察】家族の支えが乏しいPD療養者では、「チーム医療」としては薬剤師に対して医師や看護師との“仲介役”としての関与を求める傾向や雑談や親切で共感的な言葉がけという「コミュニケーション」、薬剤師による「相談」も要望されていることが明らかになった。そして、副作用や飲み合わせの説明や情報提供、かかりつけ薬剤師サービスといった「服薬管理」も求められていた。家族の支えが乏しい場合は、薬剤師は単なる服薬支援者にとどまらず、医療者間の橋渡しや日常的な安心感を提供するキーパーソンとしての役割が強く期待されていると考えられる。また、疾患に関する相談相手が医師である群は専門的な情報取得への意欲が高いと考えられ、薬剤師にもPDの専門知識を取得しての支援を期待していることが推測された。