講演情報
[P025]帝京平成大学薬学部における問題演習を中心とした初年度化学教育の取り組みについて
【発表者】石川 和樹1、鈴木 英治1、亀井 美和子1 (1. 帝京平成大学薬学部)
【目的】帝京平成大学薬学部では、2024年度入学者から薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)を実施している。これに基づき、1年次科目として「化学基礎」を開講し、有機化学の基礎となる内容を取り扱っている。有機化学は、医薬品の構造や性質を理解する上で非常に重要な科目であり、薬剤師国家試験においても合否に直接影響する科目のひとつである。そのため、薬学部1年次からしっかりとした化学の基礎知識を定着させることが薬剤師国家試験対策としても非常に有益であると考えている。そのため、本学では、1年次科目「化学基礎」において高校化学の内容を主としたプレイスメントテストを入学直後に実施し、このテスト結果を基にした1年次科目「化学基礎演習」への配属を行っている。本発表では、薬学教育における有機化学の学修効率の向上を目的とし、1年次科目「化学基礎演習」の受講者における「化学基礎」の成績や有機化学の学修効果への影響を調査した。
【方法と結果】1年次科目「化学基礎(全15回)」の第3回目講義内において、高校化学の内容(周期表、原子と電子、基本的な有機化合物の分子式と構造式および化合物の性質など)に関するプレイスメントテストを行った(2024年度入学生212名)。この結果に基づき、対象者の「化学基礎」におけるクラスをA(101名)、B(53名)およびC(58名)に割り振り、Cクラスの学生を「化学基礎演習」に配属した(Cクラス)。「化学基礎演習」は、「化学基礎」の終了直後に問題演習を基本とした形式で開講し、教員2名および学生ボランティア(6年)1名で学生からの質問に逐次対応した。さらに、演習内容を解説した動画を補助教材として用いて不足を補った。「化学基礎」の中間試験(講義第9回目)および本試験(講義第15回目終了後)を行った結果、Cクラスの平均得点率は、AおよびBクラスと比較して顕著に向上し、Bクラスと同等となった。しかし、BおよびCクラスの平均得点率はAクラスの得点率を大きく下回っていた。以上の結果から、「化学基礎」の直後に行う演習形式の授業は有機化学の基礎知識の定着において効果が期待できることが示された。しかし、Aクラスとの成績の乖離が大きいことから、CクラスのみならずBクラスにも何らかのアプローチが必要であることが示された。
【方法と結果】1年次科目「化学基礎(全15回)」の第3回目講義内において、高校化学の内容(周期表、原子と電子、基本的な有機化合物の分子式と構造式および化合物の性質など)に関するプレイスメントテストを行った(2024年度入学生212名)。この結果に基づき、対象者の「化学基礎」におけるクラスをA(101名)、B(53名)およびC(58名)に割り振り、Cクラスの学生を「化学基礎演習」に配属した(Cクラス)。「化学基礎演習」は、「化学基礎」の終了直後に問題演習を基本とした形式で開講し、教員2名および学生ボランティア(6年)1名で学生からの質問に逐次対応した。さらに、演習内容を解説した動画を補助教材として用いて不足を補った。「化学基礎」の中間試験(講義第9回目)および本試験(講義第15回目終了後)を行った結果、Cクラスの平均得点率は、AおよびBクラスと比較して顕著に向上し、Bクラスと同等となった。しかし、BおよびCクラスの平均得点率はAクラスの得点率を大きく下回っていた。以上の結果から、「化学基礎」の直後に行う演習形式の授業は有機化学の基礎知識の定着において効果が期待できることが示された。しかし、Aクラスとの成績の乖離が大きいことから、CクラスのみならずBクラスにも何らかのアプローチが必要であることが示された。