講演情報
[P051]「医薬品の効果」とは何かを理解するための生活者目線を生かした授業実践とその効果
【発表者】倉田 香織1、山田 寛尚1、五十嵐 俊1,2、小原 総一郎1,3、船見 正範1,4、小納谷 洋平1,5、今井 真穂1,5、佐々木 麻里1,6、髙橋 祐介1,7、田中 洋平8 (1. 東京薬科大学薬学部 (日本)、2. 横浜市立市民病院 (日本)、3. 公立阿伎留医療センター (日本)、4. 株式会社パワーファーマシー (日本)、5. 薬樹株式会社 (日本)、6. 株式会社なの花東日本 (日本)、7. クオール株式会社 (日本)、8. 湘南大磯病院 (日本))
【目的】Evidence-based Medicine(EBM)の実践は、6年制薬学教育において学習が進められてきたが、臨床論文の批判的吟味を中心とする学習目標は、学部生にとって、理解が難しく、その教育手法の改善が求められている。そこで、EBM教育を行うための薬剤師ネットワークをつくり、2017年度から継続した授業実践と、受講生を対象に行なったアンケート調査の結果を報告する。
【方法】東京薬科大学薬学部2年次生を対象に「医薬品のプロとして薬の効果を考える」と題したゼミナールを開講し、健康食品などの「健康に関する商品」を題材に、そのエビデンス情報を正しく理解するための科学的リテラシーおよび批判的吟味のスキルの習得、および、多様な国民が有する価値観を理解することを目的としたSGDによる演習授業を6日間(70分13コマ)で実施した。6つのRCT論文を教材として、薬剤師がファシリテータとしてSGDに参加した。また、主に2021-2024年度に受講した学生68名を対象に、アンケート調査を実施した。14の演習項目がその後の学習に役立つものだったか(満足度)について10段階での評価を依頼した。
【結果】8年間で161名が受講し、29名(有効回答率43%)がアンケートに回答した。回答者全員が「受講してよかった」と回答した。受講した動機は「将来役に立ちそうだと思ったから(45%)」、「健康食品に興味があったから(38%)」、「薬剤師とのSGD形式だったから(34.5%)」の順に多かった。満足度の平均点は全て8点を超えており、「PICO を使ったエビデンスの検索演習」「参加薬剤師との意見交換」「PubMed の検索演習」「黒烏龍茶 OTPP(トクホ)と臨床試験論文を使った研究限界の解説と演習」の満足度が高かった。
【考察】高学年で学ぶことになる「医薬品による薬物治療におけるEBMの実践」をより深く理解するために、低学年のうちから、生活者目線で「健康に関する商品」を通して学ぶことには価値があると、多くの受講生が評価していることが示唆された。
【結論】EBMに精通した薬剤師との対話の中で、健康に関する情報の収集、評価、加工、提供に関する意識とスキルを高めることの有効性を示すことができた。
【方法】東京薬科大学薬学部2年次生を対象に「医薬品のプロとして薬の効果を考える」と題したゼミナールを開講し、健康食品などの「健康に関する商品」を題材に、そのエビデンス情報を正しく理解するための科学的リテラシーおよび批判的吟味のスキルの習得、および、多様な国民が有する価値観を理解することを目的としたSGDによる演習授業を6日間(70分13コマ)で実施した。6つのRCT論文を教材として、薬剤師がファシリテータとしてSGDに参加した。また、主に2021-2024年度に受講した学生68名を対象に、アンケート調査を実施した。14の演習項目がその後の学習に役立つものだったか(満足度)について10段階での評価を依頼した。
【結果】8年間で161名が受講し、29名(有効回答率43%)がアンケートに回答した。回答者全員が「受講してよかった」と回答した。受講した動機は「将来役に立ちそうだと思ったから(45%)」、「健康食品に興味があったから(38%)」、「薬剤師とのSGD形式だったから(34.5%)」の順に多かった。満足度の平均点は全て8点を超えており、「PICO を使ったエビデンスの検索演習」「参加薬剤師との意見交換」「PubMed の検索演習」「黒烏龍茶 OTPP(トクホ)と臨床試験論文を使った研究限界の解説と演習」の満足度が高かった。
【考察】高学年で学ぶことになる「医薬品による薬物治療におけるEBMの実践」をより深く理解するために、低学年のうちから、生活者目線で「健康に関する商品」を通して学ぶことには価値があると、多くの受講生が評価していることが示唆された。
【結論】EBMに精通した薬剤師との対話の中で、健康に関する情報の収集、評価、加工、提供に関する意識とスキルを高めることの有効性を示すことができた。