講演情報
[P053]薬学生の先端医療理解と情報提供能力の向上を目指した実践的教育プログラムの試み
【発表者】倉島 由紀子1、髙橋 達雄1 (1. 北陸大学薬学部 (日本))
【目的】現在の医療現場では、遺伝情報に基づく個別化医療等、多様な先端医療・先端医薬が実用化されつつある。これらの知識や技術をすべて学内教育で修得することが望ましいが、その内容は薬学教育コア・カリキュラムの範囲を超える場合も多く、本学において必修科目として網羅することは困難である。そこで4年次生を対象に、個別化医療や先端医薬、臨床倫理に関する理解を深めるとともに、個々の患者に応じた治療選択と的確な情報提供能力の育成を目的とした、選択科目「先端医療概論」を設置した。本発表では、同科目において実施している指定テーマの調査・資料作成・ポスターセッション形式での発表活動の教育的効果を明らかにすることを目的とする。
【方法】「先端医療概論」全13回のうちの5回で、指定テーマの調査、資料の作成2種(医療関係者用詳細資料、患者・一般人用簡易資料)、ポスターセッション形式での発表とピアレビュー、授業後アンケートを行った。2024年度の指定テーマは以下を含め10テーマとした(光免疫療法、CAR-T療法、ウイルス療法、マイクロRNA、がん遺伝子パネル検査)。1テーマを約5名の学生が担当し、各人で調査から発表まで行った。ポスターセッションでは簡易資料を掲示し、ディスカッション時間を設け実施した。
【結果】アンケート結果では、調査や資料作成時間は「ちょうどよかった」が76%であった。また、担当したテーマの難易度は「ちょうどよかった」58%、「やや難しかった」24%、「難しかった」11%であった。自由記述では、多くの学生が「初めて知った」「難しかったが学びが多かった」と感じており、薬理の知識と結びつけて学べた点を有意義とする声も多かった。また、治療の費用や倫理的課題にも関心が寄せられ、自分自身や将来の職務に関わる可能性を実感したとの意見が目立った。一部では、情報量の多さや専門用語の理解に苦戦したという声も見られたが、全体として「知らなかった知識を得られた」「今後に活かしたい」といった肯定的な反応が多数を占めた。
【考察】先端医療概論は4年次後期科目のため、受講生たちは早ければ半年後には実務実習生となり、患者に自分が作成した資料を基に情報提供する機会もあり得る。今回、肯定的な意見・感想が多かったことは、自分の学びを実務実習という臨床現場へ繋げるという意味でも、教育的効果が期待できると考える。
【方法】「先端医療概論」全13回のうちの5回で、指定テーマの調査、資料の作成2種(医療関係者用詳細資料、患者・一般人用簡易資料)、ポスターセッション形式での発表とピアレビュー、授業後アンケートを行った。2024年度の指定テーマは以下を含め10テーマとした(光免疫療法、CAR-T療法、ウイルス療法、マイクロRNA、がん遺伝子パネル検査)。1テーマを約5名の学生が担当し、各人で調査から発表まで行った。ポスターセッションでは簡易資料を掲示し、ディスカッション時間を設け実施した。
【結果】アンケート結果では、調査や資料作成時間は「ちょうどよかった」が76%であった。また、担当したテーマの難易度は「ちょうどよかった」58%、「やや難しかった」24%、「難しかった」11%であった。自由記述では、多くの学生が「初めて知った」「難しかったが学びが多かった」と感じており、薬理の知識と結びつけて学べた点を有意義とする声も多かった。また、治療の費用や倫理的課題にも関心が寄せられ、自分自身や将来の職務に関わる可能性を実感したとの意見が目立った。一部では、情報量の多さや専門用語の理解に苦戦したという声も見られたが、全体として「知らなかった知識を得られた」「今後に活かしたい」といった肯定的な反応が多数を占めた。
【考察】先端医療概論は4年次後期科目のため、受講生たちは早ければ半年後には実務実習生となり、患者に自分が作成した資料を基に情報提供する機会もあり得る。今回、肯定的な意見・感想が多かったことは、自分の学びを実務実習という臨床現場へ繋げるという意味でも、教育的効果が期待できると考える。