講演情報

[P109]グローバルダイバーシティ社会への対応力・発信力のあるバイリンガル薬学人材養成の実践

【発表者】坂井 久美子1、【発表者】百渓 江1 (1. 山陽小野田市立山口東京理科大学薬学部 (日本))
【目的】本学では、グローバルダイバーシティ化が進む中、ビジネスや研究活動の国際化を見据えて「英語圏の学生と遜色のない国際活動を可能とする語学力、コミュニケーション・プレゼンテーション力を持ち、薬学分野における国際プレゼンス強化を目指す人材の育成」を目標とする「理系グローバル人材育成プログラム」を実施しています。【方法】本学教員による戦える〜実戦的な語学教育や、米国10大学の学生とのオンラインコミュニケーションの機会をふんだんに設けることにより当然の英語力習得を、留学等に依らず、日本国内にてゼロコストで完結させ、その上で海外学生とビジネスプラニングや共同研究プロジェクトの遂行、米国開催の国際学会における口頭発表やディスカッション、また、全米16大学の学生との交流、人脈構築を目的とする米国研修等を通して学生のグローバルコミュニケーション能力を英語圏の学生と遜色のないレベルまで引き上げています。【結果】薬学分野はもちろんのこと、全方位グローバルコミュニケーションを可能とする人材、具体的には海外の補助金へ応募・獲得した上での国際イベントの主催、全額給付型奨学金付き米国大学院進学、理系通訳、オーストリア・ウィーンにおける国連麻薬委員会における若手薬学人を代表したスピーチ等、実戦的かつシームレスに国際交流・発信・貢献活動を可能とする人材を輩出しています。【考察・結論】当然ながら英語圏の理系学生の英語力が文系と比較し低い事はなく、日本においても理系学生であるからといって第二言語習得能力が低いことは無いと考えます。文理共通の教養科目として行われる米国の言語教育においては、1年程度で基礎的コミュニケーションに十分な第二言語能力習得を可能としており、同方法論の応用によって、日本においても理系学生の第二言語のレベルを米国と同様の速度感を持って引き上げる事は可能と考えます。本学プログラム参加の学生は、1年次終了時に米国開催の国際学会における口頭発表を可能とし、最終的にはTOEIC最上級(900点台)相当のレベルに到達しています。これらの達成を通して、多額の費用、カリキュラムの自由度が低い薬学部においては慎重な時期の検討を要する留学等は必要とせず、オンライン環境の活用や米国大学とお互いの利となる環境の検討・整備により、低コストにてバイリンガル薬学人材の養成は可能であるとの結論を得ました。