講演情報
[P022]薬学部低年次生に対するe-ラーニングシステムを活用した授業復習システムの構築
【発表者】石嶋 康史1、藤原 朋也1、黄檗 達人1、三輪 高市1、西田 圭吾1 (1. 鈴鹿医療科学大学薬学部 (日本))
【目的】近年、急速な少子化の進行に伴って大学全入の傾向が強まり、学習習慣を十分に身につけていない学生や学生の学力低下が目立つようになっている。しかし、薬学部にアドミッションポリシーに則って入学した学生には、本人の希望に沿って6年間の薬学教育を通じて薬剤師免許を取得させたいと教員は強く願って教育に当たっている。そのためには、早い段階で学生が学習習慣を確立し、将来の薬学共用試験や薬剤師国家試験に耐え得る学力を身につけることが重要である。そこで、新たな早期介入型学習システムの導入が必要という考えに至り、e-ラーニングシステムを活用した授業復習システムを低年次生に導入することにした。
【方法】日常的な学習習慣を定着させることや授業内容を確実に習得させることを目標に、2021年度から薬学部1~3年次の実習を除く専門科目全授業を対象として、授業担当の教員が毎回の授業終了時にその授業のポイントになる復習問題をe-ラーニングシステムを利用して出題することにした。学生には、授業終了後から翌朝の授業開始時刻までにそれらの問題を全て正解になるまで繰り返し解答するように指導している。各学生の取り組み状況は、運営を担当する教員が毎日確認し、取り組みが悪い学生には電子掲示板で注意を与え、改善が見られない場合は個別に指導している。その上で変化が認められない場合には担任の教員とも協力して対応している。授業で出題された問題は、学生が定期試験の学習に活用できるように学期末にまとめて再公開している。
【結果と考察】3~4年次生を対象にした外部模試の結果において、本システムを導入後の学年で成績改善が認められた。また、本システムの実施状況とGPA(Grade Point Average)や外部模試の成績の間には正の相関が認められ、本システムは基礎的な学力の底上げに一定の効果があるものと考えている。一方、出題された問題への取り組みが悪い学生は、留年や休退学に至る危険性が高いことも見いだされ、学習面でリスクが高い学生の抽出やそれらの学生への学習支援にも寄与するものになっている。今後、本システムを実施した学年が卒業や薬剤師国家試験を迎えることになるが、卒業率や薬剤師国家試験合格率との関連などについても解析を継続するとともに、さらなる学力向上を目指して新たな方策を検討していく予定である。
【方法】日常的な学習習慣を定着させることや授業内容を確実に習得させることを目標に、2021年度から薬学部1~3年次の実習を除く専門科目全授業を対象として、授業担当の教員が毎回の授業終了時にその授業のポイントになる復習問題をe-ラーニングシステムを利用して出題することにした。学生には、授業終了後から翌朝の授業開始時刻までにそれらの問題を全て正解になるまで繰り返し解答するように指導している。各学生の取り組み状況は、運営を担当する教員が毎日確認し、取り組みが悪い学生には電子掲示板で注意を与え、改善が見られない場合は個別に指導している。その上で変化が認められない場合には担任の教員とも協力して対応している。授業で出題された問題は、学生が定期試験の学習に活用できるように学期末にまとめて再公開している。
【結果と考察】3~4年次生を対象にした外部模試の結果において、本システムを導入後の学年で成績改善が認められた。また、本システムの実施状況とGPA(Grade Point Average)や外部模試の成績の間には正の相関が認められ、本システムは基礎的な学力の底上げに一定の効果があるものと考えている。一方、出題された問題への取り組みが悪い学生は、留年や休退学に至る危険性が高いことも見いだされ、学習面でリスクが高い学生の抽出やそれらの学生への学習支援にも寄与するものになっている。今後、本システムを実施した学年が卒業や薬剤師国家試験を迎えることになるが、卒業率や薬剤師国家試験合格率との関連などについても解析を継続するとともに、さらなる学力向上を目指して新たな方策を検討していく予定である。