講演情報
[P074]習熟度テスト(低学年)から抽出したCBT・国家試験での学習到達度を予測する因子
【発表者】児島 惠美子1、津永 洋介1、木村 友樹1、橋本 亜由子1、田中 一毅1、安原 智久1 (1. メデセレスクール (日本))
【目的】高次学年における学習の到達度が低次学年の基礎学力と高い相関を示すことは明らか、基礎学力が学習到達度に関する完全な予測を与えるわけではない。メディセレスクールは、3年次末に行う習熟度テスト(基礎学力確認テスト)と4年次に行うCBT模試のデータの関係についての分析を行い、習熟度テストから抽出された因子が、CBT模試の得点の増減を予測する既に報告した。本発表では、同因子が国家試験に必要な学習到達度の予測について探索する。
【方法】3年次末に行う「習熟度テスト」と4年次に行う「CBT模試」、6年次に行う「全国統一模試」の結果を基に分析を行った。CBT模試の結果の予測に有用であった習熟度テストの科目(物理、化学、生物、衛生、薬理薬治、薬剤)の結果から抽出した主成分と全国統一模試の結果について分析を行った。
【結果】習熟度テストの結果はCBT模試(R = 0.7591, p < 0.0001)と同様に全国統一模試の結果と相関した(R = 0.6383, p < 0.0001)。主成分2に関してもCBT模試(R = -0.0873, p = 0.0274)と同様に、全国統一模試の結果と弱い負の相関がみられた(R = -0.893, p = 0.1838)。第1~3主成分によるクラスター分析から生成された4群(A~D群)のうち、習熟度テストの成績が優秀ではないC群、D群を比較した。C群は習熟度テストの合計点はD群より良いが、主成分2を主として構成する衛生の得点が高く、D群は合計点が低いが主成分2に負の負荷量をもつ薬剤の得点が高い群である。習熟度テストでは有意であったC群とD群の得点率の差(50.2% vs 44.9%, p = 0.0002)が、CBT模試(49.8% vs 47.2%, p = 0.0791)、全国統一模試(47.8% vs 46.7%, p = 0.9658)では有意でなくなり、両群の差が消失した。
【考察】習熟度テストから抽出した主成分2は習熟度テストの結果とは相関せずに、CBT模試のみならず全国統一模試の得点の増減を予測する可能性を示した。また、習熟度テスト低成績群であっても、主成分2の負荷量が高い学生は4年生、6年生での成績が伸びず、主成分2の負荷量が低い学生との差がなくなることが示唆された。主成分2は、習熟度テストで境界線レベルの学力を示した学生に対して今後の学習指導に有益な情報を与える因子となる可能性がある。
【方法】3年次末に行う「習熟度テスト」と4年次に行う「CBT模試」、6年次に行う「全国統一模試」の結果を基に分析を行った。CBT模試の結果の予測に有用であった習熟度テストの科目(物理、化学、生物、衛生、薬理薬治、薬剤)の結果から抽出した主成分と全国統一模試の結果について分析を行った。
【結果】習熟度テストの結果はCBT模試(R = 0.7591, p < 0.0001)と同様に全国統一模試の結果と相関した(R = 0.6383, p < 0.0001)。主成分2に関してもCBT模試(R = -0.0873, p = 0.0274)と同様に、全国統一模試の結果と弱い負の相関がみられた(R = -0.893, p = 0.1838)。第1~3主成分によるクラスター分析から生成された4群(A~D群)のうち、習熟度テストの成績が優秀ではないC群、D群を比較した。C群は習熟度テストの合計点はD群より良いが、主成分2を主として構成する衛生の得点が高く、D群は合計点が低いが主成分2に負の負荷量をもつ薬剤の得点が高い群である。習熟度テストでは有意であったC群とD群の得点率の差(50.2% vs 44.9%, p = 0.0002)が、CBT模試(49.8% vs 47.2%, p = 0.0791)、全国統一模試(47.8% vs 46.7%, p = 0.9658)では有意でなくなり、両群の差が消失した。
【考察】習熟度テストから抽出した主成分2は習熟度テストの結果とは相関せずに、CBT模試のみならず全国統一模試の得点の増減を予測する可能性を示した。また、習熟度テスト低成績群であっても、主成分2の負荷量が高い学生は4年生、6年生での成績が伸びず、主成分2の負荷量が低い学生との差がなくなることが示唆された。主成分2は、習熟度テストで境界線レベルの学力を示した学生に対して今後の学習指導に有益な情報を与える因子となる可能性がある。