講演情報

[P076]2024年度第16回薬学共用試験OSCEの結果解析および薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に対応したOSCEへの取組

【発表者】松元 一明1,24、野田 幸裕2,24、岡村 昇3,24、田村 豊4,24、橋詰 勉5,24、我妻 恭行6,24、有田 悦子7,24、石田 志朗8,24、入江 徹美9,24、小澤 光一郎10,24、木内 祐二11,24、向後 麻里12,24、佐藤 雄己4,24、鈴木 匡13,24、高柳 理早14,24、西 圭史15,24、富岡 佳久16,24、冨永 宏治17,24、中嶋 幹郞18,24、堀ノ内 裕也19,24、松下 良20,24、山下 美妃21,24、吉田 直子22,24、渡邊 真知子23,24、木津 純子24、増野 匡彦24 (1. 慶應義塾大学薬学部 (日本)、2. 名城大学薬学部 (日本)、3. 武庫川女子大学薬学部 (日本)、4. 福山大学薬学部 (日本)、5. 京都薬科大学薬学部 (日本)、6. 東北医科薬科大学薬学部 (日本)、7. 北里大学薬学部 (日本)、8. 徳島文理大学香川薬学部 (日本)、9. 熊本大学薬学部 (日本)、10. 安田女子大学薬学部 (日本)、11. 昭和医科大学医学部 (日本)、12. 昭和医科大学薬学部 (日本)、13. 名古屋市立大学薬学部 (日本)、14. 順天堂大学薬学部 (日本)、15. 日本大学薬学部 (日本)、16. 東北大学薬学部 (日本)、17. 福岡大学薬学部 (日本)、18. 長崎大学薬学部 (日本)、19. 徳島文理大学薬学部 (日本)、20. 金沢大学薬学部 (日本)、21. 北海道科学大学薬学部 (日本)、22. 金沢大学ai@ku (日本)、23. 帝京大学薬学部 (日本)、24. 薬学共用試験センター (日本))
【目的】2024年度第16回薬学共用試験OSCEは、2024年12月から2025年3月にかけて全国の77大学79学部において本試験及び追再試験が実施された。2024年度のOSCEは5領域53課題から5領域6課題が割り当てられた。本報告では2024年度OSCEの実施結果を総括する。また薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に基づき2027年度には改訂コアカリに対応したOSCEの実施が予定されている。これに向けた現状の取り組みと今後の計画についても報告する。【方法】2024年度OSCEの合格基準は従来通り各課題において細目評価(評価者2名の平均点)が70%以上、概略評価(6段階評価の合計)が2名で5点以上と定めた。試験結果は薬学共用試験センターが収集した全受験生のデータについて解析した。評価の公平性・透明性を確保するため、外部評価者の参画及び薬学共用試験センターからのモニター員派遣を行った。2024年度OSCEの実施に関する情報は対面によるOSCE実施説明会及びオンラインによるモニター説明会を通じて周知徹底を図った。【結果と考察】本試験の受験者数は9,716名であった。各課題における得点分布は細目評価の平均値が93.9~99.0%、概略評価の平均値が8.91~9.95点(12点満点)であり課題間の難易度に大きな差は見られなかった。全課題の実施終了率の平均と標準偏差は97.0± 2.9%であり多くの受験者が時間内に課題を完了していた。実施率の低い評価項目では評価者間の不一致率が高い傾向が認められた。細目評価と概略評価の間に強い相関は見られず、それぞれ独立して評価を行う意義が示唆された。【改訂コアカリに対応したOSCEの進捗状況】改訂コアカリに対応したOSCE課題及び運用に関するワークショップを全国のOSCE担当教員等の関係者が出席のもと2023年度に2回開催した。改訂コアカリ及び実務実習ガイドラインに基づき日本薬剤師会・日本病院薬剤師会の委員の意見を反映しながら、実務実習で必要とされる知識・技能・態度を統合的に評価できる20課題を作成した。技能系課題は11課題、コミュニケーション系課題は薬局・病院・在宅それぞれにおいて患者応対、薬学的管理、情報提供をテーマとする課題を作成した。2025年4月から9月にかけて各大学にてトライアルを実施中である。