講演情報
[P078]薬剤師国家試験における実践問題に対する学生の苦手意識と正答率の関係から紐解く実践問題へのアプローチ法の解析
【発表者】中村 翔1、中村 裕士1、林 美樹子1、堀川 絵里1、尾島 良太1、室田 枝里奈1、村上 理1、大石 俊介1、下野 宗隆1、木暮 喜久子1 (1. 学校法人医学アカデミーグループ 薬学ゼミナール (日本))
【目的】
薬剤師国家試験における実践問題は臨床的文脈の理解を必要とし、必須問題、理論問題と比較して苦手意識を抱く学生も存在する。特に近年の国家試験では、臨床現場で求められる薬剤師の職能を発揮するために必要不可欠な「薬物治療の個別最適化」に該当する実践問題が約半数を占めている(薬ゼミ調べ)。本研究は、学生アンケートによって可視化された「実践問題に対する苦手意識」と、実際の正答率との関連性を明らかにすることで、指導上のアプローチ法を解析することを目的として実施した。「薬物治療の個別最適化」に該当する実践問題には、「検査値の読み取り」を必要とする問題も含まれる。今回の研究では、特に「検査値の読み取り」に対する苦手意識に注目し、その有無と正答率との関係を分析した。本分析結果は薬ゼミのカリキュラム内で実施している実践対策講座にも反映し、学修の質を向上させることによって、臨床現場で「薬物治療の個別最適化」に対応できる薬剤師の育成に寄与していきたい。
【手法・結果】
2024年度薬学ゼミナールに所属する学生を対象にアンケートを実施し、実践問題に対する苦手意識の有無と、実践問題を回答する際に不足していると感じるスキルを調査した。これにより、「実践問題が苦手」「検査値が苦手」と回答した学生群に対して、各学生の模擬試験および国家試験(自己採点)結果と照合した。特に検査値を含む問題に着目し、正答率や出題パターンを抽出・分析した。その結果、検査値の読み取りに苦手意識を示す学生群でも、一定の検査値問題には正答しており、すべての検査値問題で不正解となっているわけではないことが判明した。
【今後の展望】
検査値に関する苦手意識は一様ではなく、問題文の構成や与えられるデータの種類によって学生の対応力に差が生じている。苦手意識を持つ学生であっても、一定のサポートや解法パターンの修得があれば正解可能な問題も多く存在することから、出題パターンごとのアプローチ法を指導することで、実践問題全体に対する苦手意識の軽減と得点力向上に寄与し、臨床現場における患者支援に役立つことを期待する。
薬剤師国家試験における実践問題は臨床的文脈の理解を必要とし、必須問題、理論問題と比較して苦手意識を抱く学生も存在する。特に近年の国家試験では、臨床現場で求められる薬剤師の職能を発揮するために必要不可欠な「薬物治療の個別最適化」に該当する実践問題が約半数を占めている(薬ゼミ調べ)。本研究は、学生アンケートによって可視化された「実践問題に対する苦手意識」と、実際の正答率との関連性を明らかにすることで、指導上のアプローチ法を解析することを目的として実施した。「薬物治療の個別最適化」に該当する実践問題には、「検査値の読み取り」を必要とする問題も含まれる。今回の研究では、特に「検査値の読み取り」に対する苦手意識に注目し、その有無と正答率との関係を分析した。本分析結果は薬ゼミのカリキュラム内で実施している実践対策講座にも反映し、学修の質を向上させることによって、臨床現場で「薬物治療の個別最適化」に対応できる薬剤師の育成に寄与していきたい。
【手法・結果】
2024年度薬学ゼミナールに所属する学生を対象にアンケートを実施し、実践問題に対する苦手意識の有無と、実践問題を回答する際に不足していると感じるスキルを調査した。これにより、「実践問題が苦手」「検査値が苦手」と回答した学生群に対して、各学生の模擬試験および国家試験(自己採点)結果と照合した。特に検査値を含む問題に着目し、正答率や出題パターンを抽出・分析した。その結果、検査値の読み取りに苦手意識を示す学生群でも、一定の検査値問題には正答しており、すべての検査値問題で不正解となっているわけではないことが判明した。
【今後の展望】
検査値に関する苦手意識は一様ではなく、問題文の構成や与えられるデータの種類によって学生の対応力に差が生じている。苦手意識を持つ学生であっても、一定のサポートや解法パターンの修得があれば正解可能な問題も多く存在することから、出題パターンごとのアプローチ法を指導することで、実践問題全体に対する苦手意識の軽減と得点力向上に寄与し、臨床現場における患者支援に役立つことを期待する。