講演情報
[P045]抗がん剤選択のためのコンパニオン検査を想定した学生実習
―上皮成長因子受容体遺伝子変異に基づく抗がん剤選択に着目した考察―
【発表者】黒羽子 孝太1、柳澤 聖2、村田 富保3、橋本 和宣3、河地 真理子2、武永 尚子1、植田 康次1、小森 由美子1 (1. 名城大薬学部 薬学教育開発センター (日本)、2. 名城大薬学部 腫瘍分子医学研究室 (日本)、3. 名城大薬学部 分子生物学研究室 (日本))
【目的】がん患者の治療において、予めコンパニオン検査により遺伝子変異を調べることで、最適な抗がん剤を用いた効果的な治療が可能となる。名城大学薬学部では、抗がん剤選択のためのコンパニオン検査を想定した実習を2023年度より実施してきた。学部3年生で実施する本実習では、肺腺がん細胞株の上皮成長因子受容体 (EGFR) の遺伝子変異を調べ、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬 (EGFR-TKI) であるGefitinib、Osimertinibによる増殖抑制効果を検討した。また本実習の目的であるコンパニオン検査に基づく抗がん剤選択の意義を、受講生が理解できているかどうかレポートを解析した。
【方法】実習は3日間で実施し、1日目に、3種類の肺腺がん細胞株(A549、H1975、PC-9)のDNAを鋳型として、遺伝子変異部位(H1975はEGFR exon21 に点突然変異、PC-9はEGFR exon 19に欠失変異)を増幅するためにPCRを行った。同日にGefitinib、Osimertinibを細胞株に添加して培養した。2日目に、点突然変異を含んだPCR産物を制限酵素処理し、アガロースゲル電気泳動により切断断片を検出した。またEGFR exon 19欠失変異も、アガロースゲル電気泳動により検出した。実習3日目に、1日目にEGFR-TKIを添加した細胞の増殖アッセイを実施した。また、受講生から提出されたレポートを解析し、本実習の意義が理解されているかどうか検証した。
【結果・考察】がん細胞株由来のDNAを鋳型としてEGFRの遺伝子変異を、PCRおよびアガロースゲル電気泳動によって検出することが可能であった。またEGFR-TKIを培養細胞に添加し、比色定量法に基づいた細胞増殖アッセイにより、その増殖抑制効果を調べることが出来た。以上のことから、適切な抗がん剤選択のためのコンパニオン検査を想定した実習が実施できたと考えられた。EGFR遺伝子変異を調べるコンパニオン検査の結果から適切なEGFR-TKIの選択が理解されているか、受講生のレポートを解析した結果、ほとんどの受講生がコンパニオン検査に基づいた抗がん剤選択の意義を理解できていると考えられた。
【方法】実習は3日間で実施し、1日目に、3種類の肺腺がん細胞株(A549、H1975、PC-9)のDNAを鋳型として、遺伝子変異部位(H1975はEGFR exon21 に点突然変異、PC-9はEGFR exon 19に欠失変異)を増幅するためにPCRを行った。同日にGefitinib、Osimertinibを細胞株に添加して培養した。2日目に、点突然変異を含んだPCR産物を制限酵素処理し、アガロースゲル電気泳動により切断断片を検出した。またEGFR exon 19欠失変異も、アガロースゲル電気泳動により検出した。実習3日目に、1日目にEGFR-TKIを添加した細胞の増殖アッセイを実施した。また、受講生から提出されたレポートを解析し、本実習の意義が理解されているかどうか検証した。
【結果・考察】がん細胞株由来のDNAを鋳型としてEGFRの遺伝子変異を、PCRおよびアガロースゲル電気泳動によって検出することが可能であった。またEGFR-TKIを培養細胞に添加し、比色定量法に基づいた細胞増殖アッセイにより、その増殖抑制効果を調べることが出来た。以上のことから、適切な抗がん剤選択のためのコンパニオン検査を想定した実習が実施できたと考えられた。EGFR遺伝子変異を調べるコンパニオン検査の結果から適切なEGFR-TKIの選択が理解されているか、受講生のレポートを解析した結果、ほとんどの受講生がコンパニオン検査に基づいた抗がん剤選択の意義を理解できていると考えられた。