講演情報
[P061]調剤および無菌調製の「想起型Virtual Reality (VR)学習」プログラムの有用性
【発表者】江角 悟1、中川 左理1、池村 舞1、竹澤 唯1、武田 真莉子1 (1. 神戸学院大学 薬学部 (日本))
【背景】近年、医療におけるVirtual Reality (VR) 技術の教育応用が注目されている。従来のテキストや動画による受動的学習と比較して技能修得の効果が高まることが期待される。我々はこれまでに、調剤実習前のVR予備学習を4年生全体の前期プログラムとして導入し、学習意欲の向上に有益であることを示してきた。今回、臨床準備教育における調剤および無菌調製の「想起型VR学習」プログラムを行い、VR教材の有用性について学生への意識調査を行ったので報告する。
【方法】VR教材は、イマクリエイト株式会社と富士フイルムシステムサービス株式会社と共同で開発した。実薬を用いた調剤および無菌調製の実習を各1回行い、2カ月程度経過した神戸学院大学薬学部4年生全員を対象とした。テキストを用いた講義による振り返り指導を行い、調製手技に関する動画は自由に視聴させた。VR実習は講義の翌日から1日当たり約170名で2日間実施し、一部の学生(のべ38名)は講義の3週後に実施した。ガイド付きの練習モードまたは本番モードを用いて調剤(散剤、水剤、軟膏)または無菌調製(バイアル、アンプル)を自由に学習した後、アンケート調査を実施した。
【結果】調剤VRには182名、無菌調製VRには180名の学生が参加した。アンケート結果から、振り返りに「とても役立った」または「役立った」という回答は調剤:169件(92.9%)、無菌:172件(95.6%)であった。操作性(P<0.01)および手技のイメージ(P<0.05)に関する好意的な回答は、無菌調製後の方が調剤よりも多かった。手技に関する動画の視聴はアンケート結果に有意な影響を与えなかった。自由回答について「振り返り」および「前期」という単語に着目すると、「ヒントが出る」「回数をたくさんできる」「イメージしながら手を動かせる」などの回答があった。
【考察】今回の我々の結果は、実際の物品を用いた調剤および無菌調製を経験した学生に対する「想起型VR学習」の先行事例であり、VR教材の有用性を明らかにした。実物を用いた学習の経験後であっても、一定期間空いた後に手順を思い出すためにVR教材が有用であることが明らかとなった。VR教材のガイド機能や比較的短時間で何回も繰り返し学習できることが「想起型VR学習」プログラムに対する学生の高評価につながっていると考えられた。
【方法】VR教材は、イマクリエイト株式会社と富士フイルムシステムサービス株式会社と共同で開発した。実薬を用いた調剤および無菌調製の実習を各1回行い、2カ月程度経過した神戸学院大学薬学部4年生全員を対象とした。テキストを用いた講義による振り返り指導を行い、調製手技に関する動画は自由に視聴させた。VR実習は講義の翌日から1日当たり約170名で2日間実施し、一部の学生(のべ38名)は講義の3週後に実施した。ガイド付きの練習モードまたは本番モードを用いて調剤(散剤、水剤、軟膏)または無菌調製(バイアル、アンプル)を自由に学習した後、アンケート調査を実施した。
【結果】調剤VRには182名、無菌調製VRには180名の学生が参加した。アンケート結果から、振り返りに「とても役立った」または「役立った」という回答は調剤:169件(92.9%)、無菌:172件(95.6%)であった。操作性(P<0.01)および手技のイメージ(P<0.05)に関する好意的な回答は、無菌調製後の方が調剤よりも多かった。手技に関する動画の視聴はアンケート結果に有意な影響を与えなかった。自由回答について「振り返り」および「前期」という単語に着目すると、「ヒントが出る」「回数をたくさんできる」「イメージしながら手を動かせる」などの回答があった。
【考察】今回の我々の結果は、実際の物品を用いた調剤および無菌調製を経験した学生に対する「想起型VR学習」の先行事例であり、VR教材の有用性を明らかにした。実物を用いた学習の経験後であっても、一定期間空いた後に手順を思い出すためにVR教材が有用であることが明らかとなった。VR教材のガイド機能や比較的短時間で何回も繰り返し学習できることが「想起型VR学習」プログラムに対する学生の高評価につながっていると考えられた。