講演情報
[P065]シミュレーターを用いた呼吸機能検査実習が学生の意識にもたらす影響
【発表者】石橋 賢一1、斎藤 将樹1、中村 康宏1、大藏 直樹1,2、厚味 厳一1 (1. 帝京大学薬学部 (日本)、2. 帝京大学シミュレーション教育研究センター (日本))
【背景・目的】医療従事者は、様々な情報から患者の体の状態をイメージする力が求められる。大学教育では、患者の体の状態をイメージしなければならないことを意識付けし、その上で学んだことを活かせる能力を身に付けさせる必要があると考える。そのために我々は、学生実習のプログラムとして、シミュレーターを体験し、患者の体の状態をイメージさせる課題を実施している。そこで本研究では、「患者の体の状態をイメージする」ことへの意識付けに、実施したプログラムがどのように影響するのかを調べた。
【方法】 2024 年 11~12 月に実施した本学薬学部 3 年生を対象とした薬学実習 7 において、Physiko(フィジカルアセスメントモデル)を用いた呼吸音の聴き取りやスパイロメーターとピークフローメーターの体験を実施した後、検査値を含む患者情報を与え、患者の呼吸器の状態を推測させる課題を実施した。そして、意識付けへの影響を調べるために、実習開始前および課題取り組み後にアンケートを実施した(回答率93.2%)。尺度的に評価するために“非常に思う”から“思わない”の 5 段階で回答する選択肢を設けるとともに、どのような意識で選択肢を選んだのかを解析するために記述欄を設け、その内容をテキストマイニングで解析した。
【結果】「シミュレーターによる体験は、卒業後の薬剤師として患者に対応する際に役立つと思うか」との問いに対して、“非常に思う”、“思う”、“やや思う”と回答した割合は実習実施前 95.4% 、実施後96.9%と変化はなかったが、“非常に思う”と回答した割合は16.2% 増加した。また、テキストマイニングでの解析では、“患者のことを思い、理解する”や“講義と実践を結び付ける”といった内容のサブグラフが実習の前後で共通して見られたが、実施後には新たに“呼吸音から考える”、“値から指導する”といった具体的な内容のサブグラフや“想像”の単語が入ったサブグラフが出現した。
【考察】実習実施前では、シミュレーターによる体験の有用性を認識しているものの理由は漠然としており、イメージする意識付けが出来ていなかったと考えられるが、実習を通してイメージする意識を持つ学生が増えたと考える。シミュレーターを用いて実習したことに基づいて患者の体の状態を推測させる課題を考えることで、意識付けを促せる可能性があると考える。
【方法】 2024 年 11~12 月に実施した本学薬学部 3 年生を対象とした薬学実習 7 において、Physiko(フィジカルアセスメントモデル)を用いた呼吸音の聴き取りやスパイロメーターとピークフローメーターの体験を実施した後、検査値を含む患者情報を与え、患者の呼吸器の状態を推測させる課題を実施した。そして、意識付けへの影響を調べるために、実習開始前および課題取り組み後にアンケートを実施した(回答率93.2%)。尺度的に評価するために“非常に思う”から“思わない”の 5 段階で回答する選択肢を設けるとともに、どのような意識で選択肢を選んだのかを解析するために記述欄を設け、その内容をテキストマイニングで解析した。
【結果】「シミュレーターによる体験は、卒業後の薬剤師として患者に対応する際に役立つと思うか」との問いに対して、“非常に思う”、“思う”、“やや思う”と回答した割合は実習実施前 95.4% 、実施後96.9%と変化はなかったが、“非常に思う”と回答した割合は16.2% 増加した。また、テキストマイニングでの解析では、“患者のことを思い、理解する”や“講義と実践を結び付ける”といった内容のサブグラフが実習の前後で共通して見られたが、実施後には新たに“呼吸音から考える”、“値から指導する”といった具体的な内容のサブグラフや“想像”の単語が入ったサブグラフが出現した。
【考察】実習実施前では、シミュレーターによる体験の有用性を認識しているものの理由は漠然としており、イメージする意識付けが出来ていなかったと考えられるが、実習を通してイメージする意識を持つ学生が増えたと考える。シミュレーターを用いて実習したことに基づいて患者の体の状態を推測させる課題を考えることで、意識付けを促せる可能性があると考える。