講演情報
[P069]薬物治療の実践能力の3年次から臨床実習後の経時的評価
【発表者】山本 仁美1、神山 紀子1、半田 智子2、岸本 桂子1、向後 麻里1 (1. 昭和医科大学薬学部 (日本)、2. 帝京平成大学薬学部 (日本))
【目的】学生の薬物治療の実践能力の修得を支援するために、本学で「薬物治療ルーブリック(3能力31評価項目)」を作成した。3~4年次、および臨床実習中の教育内容を見直すため、薬物治療ルーブリックを用い、学生の薬物治療の実践能力の3年次から臨床実習終了時までの推移を明らかにし、教育の改善が求められる薬物治療の実践能力を検討した。
【方法】2024年に臨床実習を終了し、研究でのデータ使用に同意した薬学生133人の3、4年次、および5年次の臨床実習終了時に自己評価した薬物治療ルーブリックを分析データとした。目標レベルCに達した学生の割合の推移を評価した。臨床実習終了時に全31評価項目で目標レベルCに達した学生を薬物治療の実践能力が高い群、それ以外を低い群とし、2群間の差が大きい評価項目を抽出した。抽出された項目について3、4、および5年次の臨床実習終了時の2群間の比較と、薬物治療の実践能力が低い群の推移を解析し、評価項目を分類した。
【結果】目標レベルCに達した学生の割合は、3,4,5年次の順に、【患者状態の評価能力(73%、79%、89%)】、【薬物治療の提案能力(66%、72%、82%)】、【薬物治療の評価計画能力(51%、63%、78%)】で、学年が進むにつれて有意に増加した。臨床実習終了時に薬物治療の実践能力が高い群の割合は46%、低い群は54%で、2群間の差が大きい評価項目は10項目であった。教育の改善が必要と考えられる10項目は、3つに分類された。パターンⅠは全学年で2群間に有意差があり、かつ、低い群において学年が上がる毎に増加する4項目(〈効果:時期〉〈副作用:重症度の評価基準〉など)が該当した。パターンⅡは3年次では2群間に有意差は認められず、かつ、低い群において学年が上がる毎に増加しない3項目(〈医薬品の選択:同種同効薬〉など)が該当した。パターンⅢは全学年で2群間に有意差があり、かつ、低い群において学年が上がる毎に増加しない3項目(〈画像所見〉など)が該当した。
【考察】薬物治療ルーブリックは臨床実習前から終了時まで継続的に薬物治療の実践能力を評価できる指標であることが示された。本研究で明らかとなった、臨床実習前および臨床実習中の教育に改善が求められる項目とその適切な時期に基づいて取り組みを進めることで、薬物治療の実践能力の向上が期待される。
【方法】2024年に臨床実習を終了し、研究でのデータ使用に同意した薬学生133人の3、4年次、および5年次の臨床実習終了時に自己評価した薬物治療ルーブリックを分析データとした。目標レベルCに達した学生の割合の推移を評価した。臨床実習終了時に全31評価項目で目標レベルCに達した学生を薬物治療の実践能力が高い群、それ以外を低い群とし、2群間の差が大きい評価項目を抽出した。抽出された項目について3、4、および5年次の臨床実習終了時の2群間の比較と、薬物治療の実践能力が低い群の推移を解析し、評価項目を分類した。
【結果】目標レベルCに達した学生の割合は、3,4,5年次の順に、【患者状態の評価能力(73%、79%、89%)】、【薬物治療の提案能力(66%、72%、82%)】、【薬物治療の評価計画能力(51%、63%、78%)】で、学年が進むにつれて有意に増加した。臨床実習終了時に薬物治療の実践能力が高い群の割合は46%、低い群は54%で、2群間の差が大きい評価項目は10項目であった。教育の改善が必要と考えられる10項目は、3つに分類された。パターンⅠは全学年で2群間に有意差があり、かつ、低い群において学年が上がる毎に増加する4項目(〈効果:時期〉〈副作用:重症度の評価基準〉など)が該当した。パターンⅡは3年次では2群間に有意差は認められず、かつ、低い群において学年が上がる毎に増加しない3項目(〈医薬品の選択:同種同効薬〉など)が該当した。パターンⅢは全学年で2群間に有意差があり、かつ、低い群において学年が上がる毎に増加しない3項目(〈画像所見〉など)が該当した。
【考察】薬物治療ルーブリックは臨床実習前から終了時まで継続的に薬物治療の実践能力を評価できる指標であることが示された。本研究で明らかとなった、臨床実習前および臨床実習中の教育に改善が求められる項目とその適切な時期に基づいて取り組みを進めることで、薬物治療の実践能力の向上が期待される。