講演情報
[P073]基礎薬学知識を用いた臨床症例解析演習の有用性に関する検証
【発表者】松野 純男1、大内 秀一1、和田 哲幸1、船上 仁範1、前川 智弘1、仲西 功1、多賀 淳1、細見 光一1、大鳥 徹1、川﨑 直人1 (1. 近畿大学薬学部 (日本))
【目的】
近畿大学薬学部では、5年次に臨床症例の課題を基礎薬学(物理系・化学系・生物系)の知識を用いて解析する参加型のグループ演習を実施している。初年度の2019年度に対面で実施した後はコロナ禍でオンラインでの演習を行っている。今回、「基礎薬学の症例解析への応用」に対する本演習の有効性を検証するため、演習後アンケートの解析を行った。
【方法】
本演習では終了後に「課題への興味」「理解への有効性」「参加の積極性」「講義で使用するクリッカーシステムの操作性」の4因子に基づくアンケートを実施している。データの残る2021〜2024年のアンケート(履修者計537名)について、因子分析およびヒートマップ分析を行い、年度ごとの学生の反応を比較した。また、本演習は実務実習中ではない学生を対象に実施するため、4月と12月に分割開講されることから、4月と12月の反応の違いについても比較検証した。なお、解析にはR-4.5.0 (https://www.r-project.org/) を使用した。
【結果】
因子分析(最尤法)によってアンケートの設計どおり4因子が抽出された。このうち「課題への興味」「理解への有効性」「参加の積極性」をグラフにプロットしたところ、演習に積極的な参加層が1割程度認められた。過半数は演習に対してどちらともいえない中間層であった。また、積極層と中間層の間に約15%の学生がプロットされた(移動層)。移動層の学生は2023年度および2024年度の受講生の割合が多く、また4月期より12月期の学生がやや多かった。
【考察】
積極層と中間層の間にプロットされた移動層の学生は、演習によって基礎薬学の重要性に気づいた学生と示唆された。2023年度および2024年度で移動層が多かったことから、アフターコロナでの人の交流によって、参加への積極性が増した可能性が考えられた。また、実務実習後に受講した12月期の学生でやや積極性が認められた。
【結論】
参加型の演習が基礎薬学知識を用いた臨床症例解析演習の有用性を学生に考えさせる契機になる可能性が認められた。一方でこの反応は対面開催であった2019年度より低下しており、オンライン演習の課題点と考えられた。
近畿大学薬学部では、5年次に臨床症例の課題を基礎薬学(物理系・化学系・生物系)の知識を用いて解析する参加型のグループ演習を実施している。初年度の2019年度に対面で実施した後はコロナ禍でオンラインでの演習を行っている。今回、「基礎薬学の症例解析への応用」に対する本演習の有効性を検証するため、演習後アンケートの解析を行った。
【方法】
本演習では終了後に「課題への興味」「理解への有効性」「参加の積極性」「講義で使用するクリッカーシステムの操作性」の4因子に基づくアンケートを実施している。データの残る2021〜2024年のアンケート(履修者計537名)について、因子分析およびヒートマップ分析を行い、年度ごとの学生の反応を比較した。また、本演習は実務実習中ではない学生を対象に実施するため、4月と12月に分割開講されることから、4月と12月の反応の違いについても比較検証した。なお、解析にはR-4.5.0 (https://www.r-project.org/) を使用した。
【結果】
因子分析(最尤法)によってアンケートの設計どおり4因子が抽出された。このうち「課題への興味」「理解への有効性」「参加の積極性」をグラフにプロットしたところ、演習に積極的な参加層が1割程度認められた。過半数は演習に対してどちらともいえない中間層であった。また、積極層と中間層の間に約15%の学生がプロットされた(移動層)。移動層の学生は2023年度および2024年度の受講生の割合が多く、また4月期より12月期の学生がやや多かった。
【考察】
積極層と中間層の間にプロットされた移動層の学生は、演習によって基礎薬学の重要性に気づいた学生と示唆された。2023年度および2024年度で移動層が多かったことから、アフターコロナでの人の交流によって、参加への積極性が増した可能性が考えられた。また、実務実習後に受講した12月期の学生でやや積極性が認められた。
【結論】
参加型の演習が基礎薬学知識を用いた臨床症例解析演習の有用性を学生に考えさせる契機になる可能性が認められた。一方でこの反応は対面開催であった2019年度より低下しており、オンライン演習の課題点と考えられた。