講演情報

[P075]薬学共用試験CBT―2024年度結果について

【発表者】石川 さと子1,2、中村 明弘1,3、佐藤 英治1,4、出口 芳春1,5、石塚 忠男1,6、松野 純男1,7、太田 茂1,8、荒田 洋一郎1,5、五十里 彰1,9、西端 芳彦1,10、高橋 秀依1,11、三田 智文1,12、宮崎 智1,11、矢ノ下 良平1,13、増野 匡彦1 (1. 薬学共用試験センター (日本)、2. 慶應義塾大学 (日本)、3. 昭和医科大学 (日本)、4. 福山大学薬学部 (日本)、5. 帝京大学薬学部 (日本)、6. 熊本大学薬学部 (日本)、7. 近畿大学薬学部 (日本)、8. 和歌山県立医科大学薬学部 (日本)、9. 岐阜薬科大学 (日本)、10. 北里大学薬学部 (日本)、11. 東京理科大学薬学部 (日本)、12. 順天堂大学薬学部 (日本)、13. 帝京平成大学薬学部 (日本))
【目的】2024年度薬学共用試験は、新型コロナウイルス感染症の5類移行後2回目となった。全国薬科大学・薬学部(77大学79学部)において実施された。本発表では、2024年度のCBT本試験の結果、試験の妥当性および今後の課題などを報告する。
【方法と結果】実施校は前年度よりもさらに2校増えた。本試験、追・再試験および特別試験終了後の最終的な基準点到達率は前年度(95.3%)とほぼ同じ95.2%だった。本試験の全ゾーン受験者(採点対象者)9,723名の正答率の平均値、標準偏差および中央値も前年度と一致した。分野ごとの平均正答率を過去2年分と比較すると、これまでと同様に、基本事項、薬学臨床、薬学と社会、医療薬学[情報系]の分野について平均正答率が高い傾向にあったが、上記以外の分野の平均正答率のばらつきは比較的小さい傾向にあった。本試験の採点対象者の平均正答率を用いて、2024年度CBT本試験に出題した全問題セット(1セット310問、9,851セット)の期待正答率を再計算した結果、非常に狭い範囲で良好な分布を示し、問題セット作成プロセスが問題なく稼動し、平等に出題されたことを確認した。なお、試験が公正に実施されているかについては、センターよりモニター員を派遣して確認した。
【考察】2024年度の薬学共用試験CBTは、実施システム、問題管理システム共に重大なトラブルは発生せず、試験当日は、薬学共用試験センターから各大学へ派遣したモニター員が試験の公平性・公正性を確認した。問題作成、精選プロセスは従前通りのプロセスで実施され、本試験終了後に行った問題セットの期待正答率の再計算結果から、問題の難易度のばらつきが少ない、公平な試験が実施できたことから、薬学共用試験センターとしては、実務実習を履修する学生の質を担保するための公平な試験を継続できたと考える。2024年4月の入学者より適用されている薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度版)に対応したCBTは2027年度から実施される。現在、具体的な検討を行っており、コア・カリ改訂による新規な内容に関する問題は、2026年度以前の体験受験にも検証のため出題予定である。