講演情報
[P127]理科教材を基盤とした「総合知」を創出する地域連携
【発表者】堀松 星翔1、岸田 皐1、梨本 皐吉2、栗原 鷹久2、池田 伊織2、三浦 裕也1,2、大越 絵実加1,2 (1. 国際医療福祉大学大学院 (日本)、2. 国際医療福祉大学薬学部 (日本))
【目的】
教育の在り方を創造することは、教育による未来の個人の幸せや、豊かな社会の創造につながる。令和3年に内閣府から施行された科学技術・イノベーション基本計画では、人文・社会科学と自然科学を含む異なる領域の「知」をつなぐ「総合知」の必要性が示された。また文部科学省と経済産業省は、日本の科学技術を振興する上で、次代を担う理系人材の育成を推進している。本研究では、理科教材の開発を通じ、地域資源(人的・物的)を活かした「総合知」を創出する[社会に開かれた教育課程]を目指した。新たな価値を見出し「多様な場や人をつなぎ活躍できる」医療系人材の育成に貢献する。
【方法】
栃木県北東部の黒羽地区(大田原市)は、八溝山麓の山間部に「黒羽」の地名を冠する緑茶の産地がある。また同地域にある雲巌寺は、およそ750年の歴史を持つ名刹で、日本に茶文化を広めた禅宗の一派である。しかし、過疎化や生産者の後継者不足等の問題から地域の衰退が懸念されている。黒羽茶や雲巌寺を地域の資源と捉え、理科教材「茶葉カフェインの単離」を主軸に据えた「総合知」教材を考案した。教材開発には黒羽茶の製茶業者と雲巌寺に協力を求め、地域の特色を反映する内容とした。学びの内容は(1)茶葉の栽培法、(2)世界の緑茶需要、(3)茶と禅宗の関係、(4)茶について記された古典籍のテキスト解析を通し、理科教材に対する理解の深化を目指した。
【結果と考察】
地域資源(人的・物的)を活用した教材の開発は、学習者およびステークホルダーの主体的に考える意欲を引き出す。本研究で目指す資質は、教材を考案する大学生側、教材を使う生徒側の双方で培われることになり、相乗的な学びの質向上につながる。地域の特色を活かした「総合知」は、理科教材に対する理解を深化させ、町づくりにつながる新たな価値の創造や「多様な場や人をつなぎ活躍できる」医療系人材の育成に貢献する。
【文献】
Horimatsu S., et al., Journal of Chemical Education (2025) doi.org/10.1021/acs.jchemed.4c00933
教育の在り方を創造することは、教育による未来の個人の幸せや、豊かな社会の創造につながる。令和3年に内閣府から施行された科学技術・イノベーション基本計画では、人文・社会科学と自然科学を含む異なる領域の「知」をつなぐ「総合知」の必要性が示された。また文部科学省と経済産業省は、日本の科学技術を振興する上で、次代を担う理系人材の育成を推進している。本研究では、理科教材の開発を通じ、地域資源(人的・物的)を活かした「総合知」を創出する[社会に開かれた教育課程]を目指した。新たな価値を見出し「多様な場や人をつなぎ活躍できる」医療系人材の育成に貢献する。
【方法】
栃木県北東部の黒羽地区(大田原市)は、八溝山麓の山間部に「黒羽」の地名を冠する緑茶の産地がある。また同地域にある雲巌寺は、およそ750年の歴史を持つ名刹で、日本に茶文化を広めた禅宗の一派である。しかし、過疎化や生産者の後継者不足等の問題から地域の衰退が懸念されている。黒羽茶や雲巌寺を地域の資源と捉え、理科教材「茶葉カフェインの単離」を主軸に据えた「総合知」教材を考案した。教材開発には黒羽茶の製茶業者と雲巌寺に協力を求め、地域の特色を反映する内容とした。学びの内容は(1)茶葉の栽培法、(2)世界の緑茶需要、(3)茶と禅宗の関係、(4)茶について記された古典籍のテキスト解析を通し、理科教材に対する理解の深化を目指した。
【結果と考察】
地域資源(人的・物的)を活用した教材の開発は、学習者およびステークホルダーの主体的に考える意欲を引き出す。本研究で目指す資質は、教材を考案する大学生側、教材を使う生徒側の双方で培われることになり、相乗的な学びの質向上につながる。地域の特色を活かした「総合知」は、理科教材に対する理解を深化させ、町づくりにつながる新たな価値の創造や「多様な場や人をつなぎ活躍できる」医療系人材の育成に貢献する。
【文献】
Horimatsu S., et al., Journal of Chemical Education (2025) doi.org/10.1021/acs.jchemed.4c00933