講演情報
[P010]Critical Thinking(CT)を導入した薬学英語の授業実践
~CT意義の理解と授業全体に対する満足度の観点からの考察~
【発表者】藤波 綾1、児玉 典子2 (1. 神戸薬科大学 総合教育研究センター・支援部門、2. 神戸薬科大学 総合教育研究センター・思考力育成部門)
【目的】多様な言語や文化を背景とする患者が増加する中、医療での多様性が注目されている。将来的にチーム医療の現場でも英語を使う外国人スタッフと共に働くことが必然的となることが予想され、英語でも日本語と同様に多角的な視点をもって複数の立場から考えることのできるCritical Thinking(CT)が重要と考えられる。そこで、本学はこれまでCTを導入した薬学英語の授業を実践しているが、昨年度の本授業全体に対する満足度(授業満足度)は6割程度であった。授業満足度の向上を検討する中で、CTの意義などに対する学生の理解度(CT理解度)が授業満足度に負の影響を与えているのではないかと考えた。本研究では、CT理解度及び授業満足度の観点から考察する。
【方法】2024年4月から7月にかけて3年生322名の学生に対して、計14回(100分/回)のうち、13回目までの授業において、毎回テキスト内容から異なる2つの立場AとBの問題点を抽出し、各立場それぞれの理由を学生に考えさせた。その後、ABを踏まえて学生自身の見解を理由とともに書かせて提出させた。14回目では健康相談のため来局した患者の背景(年齢、喫煙者、家族構成等)をグループ内で共有させ、3つのテーマ(ヒトの行動パターン、ニコチン及びPET)の英文資料から各々問題点を抽出し、各問題点についてCTを使用してジグソー法による協調学習(3人/グループ)を行った。授業終了後にCT理解度、授業満足度及び授業全体に対する理解度(授業理解度)に関するアンケートを5件法で評価させた(有効回答数129名)。
【結果と考察】CT理解度、授業満足度及び授業理解度の平均値±標準偏差はそれぞれ3.70±1.02、3.68±0.96、3.59±1.03であった。次に、CT理解度と授業満足度及び授業理解度との関係を調べるために相関及び偏相関分析を行った。相関分析結果から、3因子間の全ての組合せで有意な正の相関が見られた。さらに、偏相関分析結果から、CT理解度が高いと授業全体の理解が進み、授業満足度も高くなる可能性が考えられた。一方、CT理解度と授業満足度との間には関連が見られなかった。今後、CTを導入した薬学英語授業の満足度向上を目指して、CT理解度と授業満足度、授業理解度との間の因果関係を調べる必要がある。
【方法】2024年4月から7月にかけて3年生322名の学生に対して、計14回(100分/回)のうち、13回目までの授業において、毎回テキスト内容から異なる2つの立場AとBの問題点を抽出し、各立場それぞれの理由を学生に考えさせた。その後、ABを踏まえて学生自身の見解を理由とともに書かせて提出させた。14回目では健康相談のため来局した患者の背景(年齢、喫煙者、家族構成等)をグループ内で共有させ、3つのテーマ(ヒトの行動パターン、ニコチン及びPET)の英文資料から各々問題点を抽出し、各問題点についてCTを使用してジグソー法による協調学習(3人/グループ)を行った。授業終了後にCT理解度、授業満足度及び授業全体に対する理解度(授業理解度)に関するアンケートを5件法で評価させた(有効回答数129名)。
【結果と考察】CT理解度、授業満足度及び授業理解度の平均値±標準偏差はそれぞれ3.70±1.02、3.68±0.96、3.59±1.03であった。次に、CT理解度と授業満足度及び授業理解度との関係を調べるために相関及び偏相関分析を行った。相関分析結果から、3因子間の全ての組合せで有意な正の相関が見られた。さらに、偏相関分析結果から、CT理解度が高いと授業全体の理解が進み、授業満足度も高くなる可能性が考えられた。一方、CT理解度と授業満足度との間には関連が見られなかった。今後、CTを導入した薬学英語授業の満足度向上を目指して、CT理解度と授業満足度、授業理解度との間の因果関係を調べる必要がある。