講演情報
[P024]薬学部1年次成績と先延ばし意識の関連の分析
【発表者】竹内 一1、小森 理絵1、定本 久世1、松尾 平1、植木 正二1、江角 朋之1 (1. 徳島文理大学香川薬学部)
【目的】テスト勉強や課題の取り組みを後回しにする現象は先延ばしと呼ばれ、学習への適応性を測る指標の1つとなっている。本研究では、薬学部1年生を対象に先延ばし意識および学習動機と1年間の学習成果との関係を分析した。
【方法】四国地方の私立大学薬学部1年生35名(男性11名、女性23名、不明1名、平均年齢18.9歳)を対象に調査を実施した。先延ばし意識は、小浜が作成した「先延ばし意識特性尺度」、学習動機は市川らが作成した「学習動機尺度」を用いて測定した。学力の評価には、入学時に受験したプレイスメントテスト総合正答率と1年終了時のf-GPAを使用した。対象者は入学時学力が高く1年終了時の成績も良い群(グループ1)、入学時学力は中程度以下で1年終了時の成績が良い群(グループ3)、入学時学力は中程度以下で1年終了時の成績も中程度以下の群(グループ4)に分類された。
【結果】先延ばし意識特性尺度を測定した結果、全体としては先行研究と比較して「先延ばし中肯定」「状況の楽観視」の値が低い傾向がみられた。学力グループに分けて解析した結果、グループ1は全体平均と比較して「先延ばし前否定」「先延ばし後否定」は低く「計画性」が高いことから「遂行優先クラスタ」に分類された。グループ3は「先延ばし前否定」「先延ばし中否定」「先延ばし後否定」および「状況の楽観視」が全体平均より低く、「先延ばし中肯定」や「気分の切り替え」が高いことから、「切替クラスタ」に分類された。グループ4は全ての否定が全体平均より高値となり、「状況の楽観視」も高い値となった。一方、「計画性」「先延ばし中肯定」「気分の切り替え」は全体平均より低い値となったことから「否定感情クラスタ」に分類された。
学習動機を測定した結果、グループ1では全体平均と比較して充実志向、自尊志向の値が高く、関係志向が低い値を示した。グループ3では全体平均と比較すると実用志向、自尊志向、訓練志向が高い値となったが、充実志向は低い値となった。グループ4では全体平均と比較してほとんどの測定値が低い値を示し、とくに自尊志向が低い値を示した。
【考察】これらの結果から、各学力グループは異なるクラスタに分類されることが明らかになった。とくに入学後の成績推移には、課題に取り組む際の否定的感情に由来する決断遅延が関与している可能性が推測された。
【方法】四国地方の私立大学薬学部1年生35名(男性11名、女性23名、不明1名、平均年齢18.9歳)を対象に調査を実施した。先延ばし意識は、小浜が作成した「先延ばし意識特性尺度」、学習動機は市川らが作成した「学習動機尺度」を用いて測定した。学力の評価には、入学時に受験したプレイスメントテスト総合正答率と1年終了時のf-GPAを使用した。対象者は入学時学力が高く1年終了時の成績も良い群(グループ1)、入学時学力は中程度以下で1年終了時の成績が良い群(グループ3)、入学時学力は中程度以下で1年終了時の成績も中程度以下の群(グループ4)に分類された。
【結果】先延ばし意識特性尺度を測定した結果、全体としては先行研究と比較して「先延ばし中肯定」「状況の楽観視」の値が低い傾向がみられた。学力グループに分けて解析した結果、グループ1は全体平均と比較して「先延ばし前否定」「先延ばし後否定」は低く「計画性」が高いことから「遂行優先クラスタ」に分類された。グループ3は「先延ばし前否定」「先延ばし中否定」「先延ばし後否定」および「状況の楽観視」が全体平均より低く、「先延ばし中肯定」や「気分の切り替え」が高いことから、「切替クラスタ」に分類された。グループ4は全ての否定が全体平均より高値となり、「状況の楽観視」も高い値となった。一方、「計画性」「先延ばし中肯定」「気分の切り替え」は全体平均より低い値となったことから「否定感情クラスタ」に分類された。
学習動機を測定した結果、グループ1では全体平均と比較して充実志向、自尊志向の値が高く、関係志向が低い値を示した。グループ3では全体平均と比較すると実用志向、自尊志向、訓練志向が高い値となったが、充実志向は低い値となった。グループ4では全体平均と比較してほとんどの測定値が低い値を示し、とくに自尊志向が低い値を示した。
【考察】これらの結果から、各学力グループは異なるクラスタに分類されることが明らかになった。とくに入学後の成績推移には、課題に取り組む際の否定的感情に由来する決断遅延が関与している可能性が推測された。