講演情報
[P046]実験前グループ討議を取り入れた栄養化学実習の学生への影響
【発表者】髙田 哲也1、徳山 友紀1、金瀨 薫1、髙尾 郁子1、平山 恵津子1、木村 徹1 (1. 京都薬科大学 学生実習支援センター (日本))
【目的】栄養化学実習(3年次)では、実験実施前に実験内容を理解した状態で実習へ臨めるように目的、方法、内容、注意点等に関するグループ討議を実施している。これまで討議後に行う小テストや実験結果から、グループ討議を通して実験に対する一定の理解が得られた状態で実習に臨めている可能性は示唆されていた。しかし実際にグループ討議を導入した実習が学生の満足度や学習意欲にどの程度影響を与えているかは不明であった。そのため今回、アンケートを実施しグループ討議が学生に与える影響を調査した。その結果について報告する。
【方法】栄養化学実習の受講生を対象にアンケートを実施し、同意を得られた342名のデータで解析を行った。アンケートはMicrosoft Formsを用いて収集し、選択式の設問は5件法、記述は自由記述式、本実習の総合評価は10段階評価とした。
【結果・考察】総合評価は平均8.27と高い結果であった。「グループ内での討議は十分行えたと思いますか」という設問に対して、59%が“そう思う”、33%が“ややそう思う”と回答し、「グループ討議は、実験に活かせましたか」という設問に対しては、74%が“活かせた”、24%が“概ね活かせた”と回答した。このことから、グループ討議を十分に行い、その結果を実験に活かせたという実感を得ていることがわかった。「学業に対する姿勢は変化しましたか」という設問では、30%が“積極性(学習意欲)が高まった”、56%が“やや高まった”と回答した。高まった理由(自由記述)として、「予習段階での実験の理解がいかに大切かを実感できたから。レポートを書く際にもその理解が役立ったと感じたから」といった予習の重要性を実感している記述や、「反応の理由、原理を理解しながらすることで、実験の効率化につながることが分かったから」といった実験手技に関する記述、「初日のSGDや小テストで理解を深めることで、実験操作の意味が理解できると、ここまで実験が面白いのだと感じた」といった興味・関心に関する記述などが確認できた。このことから、実験前グループ討議を実習に導入することで学生は実験に対する理解をより深めることができ、その理解を基に実験に取り組むことで理解度が実験に与える影響を実感し、学習意欲の向上に繋がったと示唆された。今後は、同様の効果が継続的に得られるのか調査する予定である。
【方法】栄養化学実習の受講生を対象にアンケートを実施し、同意を得られた342名のデータで解析を行った。アンケートはMicrosoft Formsを用いて収集し、選択式の設問は5件法、記述は自由記述式、本実習の総合評価は10段階評価とした。
【結果・考察】総合評価は平均8.27と高い結果であった。「グループ内での討議は十分行えたと思いますか」という設問に対して、59%が“そう思う”、33%が“ややそう思う”と回答し、「グループ討議は、実験に活かせましたか」という設問に対しては、74%が“活かせた”、24%が“概ね活かせた”と回答した。このことから、グループ討議を十分に行い、その結果を実験に活かせたという実感を得ていることがわかった。「学業に対する姿勢は変化しましたか」という設問では、30%が“積極性(学習意欲)が高まった”、56%が“やや高まった”と回答した。高まった理由(自由記述)として、「予習段階での実験の理解がいかに大切かを実感できたから。レポートを書く際にもその理解が役立ったと感じたから」といった予習の重要性を実感している記述や、「反応の理由、原理を理解しながらすることで、実験の効率化につながることが分かったから」といった実験手技に関する記述、「初日のSGDや小テストで理解を深めることで、実験操作の意味が理解できると、ここまで実験が面白いのだと感じた」といった興味・関心に関する記述などが確認できた。このことから、実験前グループ討議を実習に導入することで学生は実験に対する理解をより深めることができ、その理解を基に実験に取り組むことで理解度が実験に与える影響を実感し、学習意欲の向上に繋がったと示唆された。今後は、同様の効果が継続的に得られるのか調査する予定である。