講演情報
[P062]令和4年度改訂コアカリに対応したルーブリック表と現行表の評価結果の比較による評価特性の検討
【発表者】玉木 啓文1、井口 和弘1、伊野 陽子2、水井 貴詞3,4、長内 理大1、渡邉 繭子4、甲田 明英4、野口 義紘3、山下 修司5、鈴木 景子6、大澤 友裕4、安田 昌宏2,4、笠原 千嗣2,4、吉村 知哲3 (1. 岐阜薬科大学 薬局薬学研究室 (日本)、2. 岐阜薬科大学 健康医療薬学研究室 (日本)、3. 岐阜薬科大学 病院薬学研究室 (日本)、4. 岐阜市民病院 (日本)、5. 岐阜薬科大学 地域医療実践薬学研究室 (日本)、6. 岐阜薬科大学 実践薬学研究推進センター (日本))
【背景・目的】薬局・病院実務実習は、アウトカム基盤型教育に基づき、学生の薬剤師としての実践能力育成を目指して実施されている。アウトカム基盤型教育では具体的な学習成果(アウトカム)を設定し、到達度を評価することが必要となる。従来の知識獲得段階においては筆記試験やレポート等の評価方法が有効であるが、実務実習での学生のパフォーマンス評価は、その振る舞いを公正に、他者でも理解できる基準で、評価者による差が出にくい方法で行う必要があり、点数化等による評価は適さなかった。現在の薬学教育モデル・コア・カリキュラム(コアカリ)では、文章で記述されたルーブリック表を用いて評価が行われており、その有効性は複数の研究で報告されている。しかしながら、このルーブリック表での評価による傾向等の報告は少なく、評価特性は明確になっていない。また令和4年度にはコアカリの改訂が行われ、対応する「臨床における実務実習に関するガイドライン」にて新たなルーブリック表も示されたが、評価時の現行表との違いは明らかになっていない。本研究では、次期コアカリに対応したルーブリック表を用いて実務実習における到達度を試験的に評価し、現行表との比較を通じて、両評価表の違いや傾向、特性を明らかにすることを目的とした。
【方法】薬局実務実習および病院実務実習に参加する学生約30名ずつ(1期あたり10名)を対象とし、現在、令和4年度改訂コアカリに対応した新たなルーブリック表を用いて到達度評価を実施している。学生自身の自己評価と指導薬剤師による評価を行い、現行のルーブリック表での評価と比較してその特徴を検討した。なお、本研究は岐阜薬科大学の倫理審査委員会から承認を得て実施している(承認番号 6-39)。
【結果・考察】令和4年度改訂コアカリに対応したルーブリック表による自己評価は、現行のルーブリック表による評価と概ね類似した傾向を示したが、やや低い評価となる項目がみられた(「患者情報の把握」、Wilcoxon の符号付順位検定 p=0.0547、n=10)。現時点では令和7年度第1期の実務実習の評価結果に基づき検討を行っているが、本発表では第2期までの結果を統合し中間報告を行う予定である。今後の検討により、現行・新規のルーブリック表の特性や、次期コアカリにおけるルーブリック表活用のための具体的な課題が明らかになることが期待される。
【方法】薬局実務実習および病院実務実習に参加する学生約30名ずつ(1期あたり10名)を対象とし、現在、令和4年度改訂コアカリに対応した新たなルーブリック表を用いて到達度評価を実施している。学生自身の自己評価と指導薬剤師による評価を行い、現行のルーブリック表での評価と比較してその特徴を検討した。なお、本研究は岐阜薬科大学の倫理審査委員会から承認を得て実施している(承認番号 6-39)。
【結果・考察】令和4年度改訂コアカリに対応したルーブリック表による自己評価は、現行のルーブリック表による評価と概ね類似した傾向を示したが、やや低い評価となる項目がみられた(「患者情報の把握」、Wilcoxon の符号付順位検定 p=0.0547、n=10)。現時点では令和7年度第1期の実務実習の評価結果に基づき検討を行っているが、本発表では第2期までの結果を統合し中間報告を行う予定である。今後の検討により、現行・新規のルーブリック表の特性や、次期コアカリにおけるルーブリック表活用のための具体的な課題が明らかになることが期待される。