講演情報
[P060]満足度調査に基づく実務実習カリキュラムのバージョンアップとチーム指導体制の構築
【発表者】中島 純子1、宮本 義浩1、牛島 恵美1、澤田 綾子1、鍵谷 徹1、金子 欧作1、安田 憲隆1、平出 耕石1 (1. 中部国際医療センター薬剤部 (日本))
【背景】当院では6年制薬学教育モデル・コアカリキュラムに基づいた薬学実務実習を実施しており、実習終了時にアンケートを通じて学生満足度の把握を行っている。アンケート結果を基に課題を抽出し、教育内容の見直しと改善を行う体制を整えている。
【方法】2023年度の実習終了時、20項目にわたる薬剤師業務について5段階評価による満足度調査を実施した。結果を分析し、評価が相対的に低かった業務を中心に、指導薬剤師による実習内容の見直しと改善を図った。
【結果】病棟業務、チーム医療、注射薬の調剤、抗がん薬の無菌調製は高い評価を得た。病棟業務では早期から多くの症例に触れることで、実践的学習につながったと考えられる。
チーム医療では、以前は2チームへの参加であったが、学生から「薬剤師がチーム医療に関与する重要性ややりがいを感じた」との高評価を受け、現在は5チーム(緩和ケア、栄養サポート、術後疼痛管理、排尿ケア、褥瘡対策)に拡大した。回診やカンファレンスに継続的に参加することで、患者への介入から治療、評価、終了までの流れを実体験できる構成としている。特に術後疼痛管理チームは当院で開始して間もない新しい取り組みであり、学生にとって新鮮な経験となっている。また褥瘡対策チームではデブリードマンの現場に立ち会うこともあり、処置のリアリティに驚く声も多く聞かれた。
【考察】アンケートを通じたフィードバックにより、教育内容を的確に改善できたことが高評価の要因と考えられる。一方で、診療報酬改定に伴うタスクシフト等の影響により薬剤師業務が拡大し、指導体制の手薄さが課題として明らかになった。指導が特定の薬剤師に偏らないよう調整を進めており、1対1のメンター制度から複数の薬剤師によるチーム体制での指導へ移行する方向で取り組んでいる。
【まとめ】質の高い実習を提供するためには、指導者が明確な教育目標を持ち、変化する薬剤師業務に柔軟に対応する必要がある。今後は、基本的業務に加え、最新医療機器の見学や救急医療、がん治療等、当院の特色を生かした独自プログラムを取り入れ、より価値ある実習を提供していきたい。
【方法】2023年度の実習終了時、20項目にわたる薬剤師業務について5段階評価による満足度調査を実施した。結果を分析し、評価が相対的に低かった業務を中心に、指導薬剤師による実習内容の見直しと改善を図った。
【結果】病棟業務、チーム医療、注射薬の調剤、抗がん薬の無菌調製は高い評価を得た。病棟業務では早期から多くの症例に触れることで、実践的学習につながったと考えられる。
チーム医療では、以前は2チームへの参加であったが、学生から「薬剤師がチーム医療に関与する重要性ややりがいを感じた」との高評価を受け、現在は5チーム(緩和ケア、栄養サポート、術後疼痛管理、排尿ケア、褥瘡対策)に拡大した。回診やカンファレンスに継続的に参加することで、患者への介入から治療、評価、終了までの流れを実体験できる構成としている。特に術後疼痛管理チームは当院で開始して間もない新しい取り組みであり、学生にとって新鮮な経験となっている。また褥瘡対策チームではデブリードマンの現場に立ち会うこともあり、処置のリアリティに驚く声も多く聞かれた。
【考察】アンケートを通じたフィードバックにより、教育内容を的確に改善できたことが高評価の要因と考えられる。一方で、診療報酬改定に伴うタスクシフト等の影響により薬剤師業務が拡大し、指導体制の手薄さが課題として明らかになった。指導が特定の薬剤師に偏らないよう調整を進めており、1対1のメンター制度から複数の薬剤師によるチーム体制での指導へ移行する方向で取り組んでいる。
【まとめ】質の高い実習を提供するためには、指導者が明確な教育目標を持ち、変化する薬剤師業務に柔軟に対応する必要がある。今後は、基本的業務に加え、最新医療機器の見学や救急医療、がん治療等、当院の特色を生かした独自プログラムを取り入れ、より価値ある実習を提供していきたい。