講演情報
[P066]シミュレーターの呼吸音をより正確に聴き取るための取り組み
【発表者】斎藤 将樹1、石橋 賢一1、中村 康宏1、大藏 直樹1,2、厚味 厳一1 (1. 帝京大学薬学部 (日本)、2. 帝京大学シミュレーション教育研究センター (日本))
【目的】薬剤師が薬学的管理を行う際には、患者の体の状態を客観的に把握することが必要であり、フィジカルアセスメントによる把握も求められ始めている。本学でもフィジカルアセスメントに関する教育が行われ始めており、その一つとして、シミュレーターを使用して呼吸音を聴取する学生実習が3年次に行われている。学生がより正確に聴き取ることができるための方略を、2023年度と2024年度に比較することで検討した。
【方法】本実習では、フィジカルアセスメントモデル “Physiko” (京都科学) を用い、各学生に聴診器で背面の上・下肺野より呼吸音を聴取させた。聴取した呼吸音は、正常音と4種類の非正常音 (いびき音、笛音、捻髪音、水泡音) である。聴取後、「非正常音が正常音と比べて異なる点」と「聴取した非正常音から推測される呼吸器の状態」をレポートに記述させた。非正常音を正確に聴取できたかどうかは、レポートの記述内容の詳細さを指標として、5点満点で評価した。また、実習に対する取り組みの姿勢を、「呼吸器に関する事前課題」および「実習全日程のレポート」の記載内容で評価し、これらの課題内容は両年度でほぼ同じである。
【結果】2023年度は、正常音を全員に聴取させたのち、4音の非正常音中2音を聴取させ、その2音について上述の内容をレポートに記載させた。その結果、5点満点中2、3点が多く、4、5点は予想外に極めて少数だったため、学生は非正常音をあまり正確に聴取できなかったと考えた。正確に聴取させるためには、学生が呼吸音ごとの違いに気付き、さらに聴取する意識を向上することが重要と考え、2024年度には非正常音を全種類聴かせ、その中から3音を選ばせレポートに記載させた。その結果、2023年度に比べて4、5点が顕著に増えた。次に、4、5点の学生は事前課題が何点だったのかを調べたところ、事前課題4、5点のみならず2、3点の学生もいたことから、多くの学生に有効な方略であることが分かった。なお、事前課題および全日程のレポートの評点に年度間の差異はなかったことから、学生の実習に対する基本的な取り組む姿勢は両年度で変わっていないといえる。
【考察】学生に多くの種類の呼吸音を経験させて音の違いに気づかせ、さらに聴取する意識を向上させると、学生は呼吸音をより正確に聴取できるようになると考えられる。
【方法】本実習では、フィジカルアセスメントモデル “Physiko” (京都科学) を用い、各学生に聴診器で背面の上・下肺野より呼吸音を聴取させた。聴取した呼吸音は、正常音と4種類の非正常音 (いびき音、笛音、捻髪音、水泡音) である。聴取後、「非正常音が正常音と比べて異なる点」と「聴取した非正常音から推測される呼吸器の状態」をレポートに記述させた。非正常音を正確に聴取できたかどうかは、レポートの記述内容の詳細さを指標として、5点満点で評価した。また、実習に対する取り組みの姿勢を、「呼吸器に関する事前課題」および「実習全日程のレポート」の記載内容で評価し、これらの課題内容は両年度でほぼ同じである。
【結果】2023年度は、正常音を全員に聴取させたのち、4音の非正常音中2音を聴取させ、その2音について上述の内容をレポートに記載させた。その結果、5点満点中2、3点が多く、4、5点は予想外に極めて少数だったため、学生は非正常音をあまり正確に聴取できなかったと考えた。正確に聴取させるためには、学生が呼吸音ごとの違いに気付き、さらに聴取する意識を向上することが重要と考え、2024年度には非正常音を全種類聴かせ、その中から3音を選ばせレポートに記載させた。その結果、2023年度に比べて4、5点が顕著に増えた。次に、4、5点の学生は事前課題が何点だったのかを調べたところ、事前課題4、5点のみならず2、3点の学生もいたことから、多くの学生に有効な方略であることが分かった。なお、事前課題および全日程のレポートの評点に年度間の差異はなかったことから、学生の実習に対する基本的な取り組む姿勢は両年度で変わっていないといえる。
【考察】学生に多くの種類の呼吸音を経験させて音の違いに気づかせ、さらに聴取する意識を向上させると、学生は呼吸音をより正確に聴取できるようになると考えられる。