講演情報
[P070]実務実習前の臨床体験に学生は何を求めるか? ~実務実習終了後学生の考え~
【発表者】角山 香織1、三宅 萌瑛1、矢野 良一1、中村 敏明1 (1. 大阪医科薬科大学 薬学部 (日本))
【背景・目的】
薬学教育6年制課程は、臨床に係る実践的能力を有した医療人としての薬剤師養成を目指している。しかし、現在の6年制課程のカリキュラムでは、低学年時の早期臨床体験後、実務実習まで臨床現場や社会に出て学習する機会に乏しい。本学薬学部では、実務実習前の臨床体験(以下、中期臨床体験)プログラムの構築を進めており、学習者が医療人としての自覚を高め、自身のキャリアデザインや学んだ知識の臨床活用術を意識しながら学習に臨む姿勢を身につけることを目指している。今回、プログラム内容を具体的に検討するために、学生が中期臨床体験に期待することを調査した。
【方法】
本学薬学部の5年生を対象に、2024年度のⅡ、Ⅲ、Ⅳ期の病院実習終了後に中期臨床体験の実施時期や実施内容など7項目についてアンケート調査を実施した。調査に同意した学生231名の回答を解析対象とし、自由記述の内容は、テキストマイニング(KH Coder v3)を行った。本研究はJSPS科研費24K06113の助成を受けて実施した。
【結果・考察】
「実務実習までに、地域社会や医療現場での実習を経験しておきたかったか」の問に対し、48名(21%)がとてもそう思う、99名(43%)がそう思うと回答した。経験しておきたかった理由として、その後の勉強に対する姿勢やキャリアデザインを描く上で役に立つ、患者や医療者とのコミュニケーションに慣れるなどが挙げられていた。一方、そう思わない、あまりそう思わない理由としては、実務実習で十分に学べた、早い時期に実習しても忘れてしまうなどが挙げられていた。中期臨床体験の実施時期は、多い順に4年(前後期いつでも)、2年(前後期いつでも)がいずれも22%、次いで3年(前後期いつでも)18%、4年前期16%、3年後期10%であった。学年が早い時期を希望する理由には、時間に余裕があることやその後の勉強の動機付けや知識の定着につながりやすいことなどが挙げられていた。遅い時期を希望する場合は、知識がある程度身についている方が中期臨床体験で得られることが多いと思うなどの理由が挙げられていた。これらのことから、中期臨床体験に期待することとして、知識の習得を求める学生と、体験が学習姿勢やキャリアデザインの参考になることを求める学生がいることがわかった。今後、得られた知見をプログラム内容に反映させていく予定である。
薬学教育6年制課程は、臨床に係る実践的能力を有した医療人としての薬剤師養成を目指している。しかし、現在の6年制課程のカリキュラムでは、低学年時の早期臨床体験後、実務実習まで臨床現場や社会に出て学習する機会に乏しい。本学薬学部では、実務実習前の臨床体験(以下、中期臨床体験)プログラムの構築を進めており、学習者が医療人としての自覚を高め、自身のキャリアデザインや学んだ知識の臨床活用術を意識しながら学習に臨む姿勢を身につけることを目指している。今回、プログラム内容を具体的に検討するために、学生が中期臨床体験に期待することを調査した。
【方法】
本学薬学部の5年生を対象に、2024年度のⅡ、Ⅲ、Ⅳ期の病院実習終了後に中期臨床体験の実施時期や実施内容など7項目についてアンケート調査を実施した。調査に同意した学生231名の回答を解析対象とし、自由記述の内容は、テキストマイニング(KH Coder v3)を行った。本研究はJSPS科研費24K06113の助成を受けて実施した。
【結果・考察】
「実務実習までに、地域社会や医療現場での実習を経験しておきたかったか」の問に対し、48名(21%)がとてもそう思う、99名(43%)がそう思うと回答した。経験しておきたかった理由として、その後の勉強に対する姿勢やキャリアデザインを描く上で役に立つ、患者や医療者とのコミュニケーションに慣れるなどが挙げられていた。一方、そう思わない、あまりそう思わない理由としては、実務実習で十分に学べた、早い時期に実習しても忘れてしまうなどが挙げられていた。中期臨床体験の実施時期は、多い順に4年(前後期いつでも)、2年(前後期いつでも)がいずれも22%、次いで3年(前後期いつでも)18%、4年前期16%、3年後期10%であった。学年が早い時期を希望する理由には、時間に余裕があることやその後の勉強の動機付けや知識の定着につながりやすいことなどが挙げられていた。遅い時期を希望する場合は、知識がある程度身についている方が中期臨床体験で得られることが多いと思うなどの理由が挙げられていた。これらのことから、中期臨床体験に期待することとして、知識の習得を求める学生と、体験が学習姿勢やキャリアデザインの参考になることを求める学生がいることがわかった。今後、得られた知見をプログラム内容に反映させていく予定である。