講演情報
[P068]実務実習に向けたフィジカルアセスメント実習の取り組み
【発表者】手塚 優1、松浦 誠1、三部 篤1、高橋 寛1 (1. 岩手医科大学 (日本))
【目的】薬剤師が臨床現場で適切な薬物治療の提案・評価を行うためには、フィジカルアセスメントを通じた病態の把握と、治療効果・副作用のモニタリング能力が不可欠である。本実習は、本学薬学部4年生を対象に、実務実習に向けて基本的な身体診察技術と臨床推論の視点を身につけさせ、薬物治療の評価に活用できるフィジカルアセスメント能力の育成を目的として実施した。
【方法】令和6年度薬学部4年次の学生40名を対象に、呼吸音の聴取、血圧測定、酸素飽和度測定、皮膚・浮腫の観察など、基本的な身体診察技術を学ぶ5日間の実習を実施した。5日間の内、前半の2日間についてはフィジカルアセスメントの基本的な身体診察技術を習得するための実習として行い、後半3日間は習得した身体診察技術を臨床推論に応用していくための症例検討実習として行った。実習評価は、実技に加えて、学生が作成した観察記録、所見の解釈、薬物治療に関する考察を含むプロダクトをもとに実施した。
【結果】前半のフィジカルアセスメントの基本的な身体診察技術を習得では、事前学習、教員によるデモンストレーション、学生同士による相互練習を行い、実技試験という形でその評価を行った。その結果、すべての学生が基礎的な技術の習得において一定以上の評価を得ることができた。後半の症例検討実習では、バイタルサインや身体所見をもとに病態や薬物の効果・副作用を推論し、服薬支援に関する視点を取り入れた考察が学生の提出物より確認された。特に、呼吸器疾患や心不全を模したシナリオにおいて、フィジカルアセスメント所見と薬物治療の関連性を的確に捉えた記述が多数見られた。基礎的技能の修得に加え、実務実習に向かう上で必要な臨床的判断力の素地が育まれたと評価された。
【考察】本実習により、学生はフィジカルアセスメントを単なる技術ではなく、薬物治療の評価・支援に応用する視点で学ぶことができた。プロダクト評価は、学生の理解の深さや思考過程を可視化する点で有効であった。このような体験型の症例検討課題は、課題症例のバリエーションを増やし、他職種連携を想定した実践的シナリオなどを導入することで、実務実習後の学生教育にも有用ではないかと思われる。
【方法】令和6年度薬学部4年次の学生40名を対象に、呼吸音の聴取、血圧測定、酸素飽和度測定、皮膚・浮腫の観察など、基本的な身体診察技術を学ぶ5日間の実習を実施した。5日間の内、前半の2日間についてはフィジカルアセスメントの基本的な身体診察技術を習得するための実習として行い、後半3日間は習得した身体診察技術を臨床推論に応用していくための症例検討実習として行った。実習評価は、実技に加えて、学生が作成した観察記録、所見の解釈、薬物治療に関する考察を含むプロダクトをもとに実施した。
【結果】前半のフィジカルアセスメントの基本的な身体診察技術を習得では、事前学習、教員によるデモンストレーション、学生同士による相互練習を行い、実技試験という形でその評価を行った。その結果、すべての学生が基礎的な技術の習得において一定以上の評価を得ることができた。後半の症例検討実習では、バイタルサインや身体所見をもとに病態や薬物の効果・副作用を推論し、服薬支援に関する視点を取り入れた考察が学生の提出物より確認された。特に、呼吸器疾患や心不全を模したシナリオにおいて、フィジカルアセスメント所見と薬物治療の関連性を的確に捉えた記述が多数見られた。基礎的技能の修得に加え、実務実習に向かう上で必要な臨床的判断力の素地が育まれたと評価された。
【考察】本実習により、学生はフィジカルアセスメントを単なる技術ではなく、薬物治療の評価・支援に応用する視点で学ぶことができた。プロダクト評価は、学生の理解の深さや思考過程を可視化する点で有効であった。このような体験型の症例検討課題は、課題症例のバリエーションを増やし、他職種連携を想定した実践的シナリオなどを導入することで、実務実習後の学生教育にも有用ではないかと思われる。