講演情報
[SL-1]日本薬学教育学会10年の歩み、そして輝ける未来に向けて
乾 賢一 (日本薬学教育学会理事長/京都大学名誉教授/京都薬科大学名誉教授)

〇略歴:
1969年 3月 京都大学薬学部卒業
1972年 5月 広島大学医学部薬学科助手
1978年 3月 ハーバード大学医学部、マサチューセッツ総合病院研究員
1979年10月 京都大学医学部附属病院助手
1987年 7月 京都大学医学部附属病院助教授・副薬剤部長
1990年 2月 東京医科歯科大学医学部附属病院教授・薬剤部長
1994年 1月 京都大学医学部附属病院教授・薬剤部長、薬学研究科教授
2010年 3月 定年退職、4月京都大学名誉教授
2010年 4月 京都薬科大学学長
2016年 3月 任期満了、4月京都薬科大学名誉教授
1969年 3月 京都大学薬学部卒業
1972年 5月 広島大学医学部薬学科助手
1978年 3月 ハーバード大学医学部、マサチューセッツ総合病院研究員
1979年10月 京都大学医学部附属病院助手
1987年 7月 京都大学医学部附属病院助教授・副薬剤部長
1990年 2月 東京医科歯科大学医学部附属病院教授・薬剤部長
1994年 1月 京都大学医学部附属病院教授・薬剤部長、薬学研究科教授
2010年 3月 定年退職、4月京都大学名誉教授
2010年 4月 京都薬科大学学長
2016年 3月 任期満了、4月京都薬科大学名誉教授
〇本文:
質の高い薬剤師の養成を目指して、6年制薬学が2006年4月にスタートした。日本薬学教育学会は、新しい薬学教育の発展・充実に向け2016年8月に設立され、薬学教育に関する研究の充実発展及びその成果の普及を目指してきた。
本学会は、重点事業として学術大会の年次開催と学会誌「薬学教育」の発行を掲げて活動している。学会誌「薬学教育」は、薬学教育およびその関連領域に関する論文掲載を目的とし、J-STAGE電子ジャーナル公開システムを利用して2017年6月より刊行を開始した。2018年1月には、前年の掲載論文を冊子体にまとめ第1巻を発行、会員に配布した。本学会の特徴は、薬学教員、病院・薬局薬剤師、企業、行政など多職種の薬学人が参画していることである。
一方、日本医学教育学会は50年の歴史を有し、医学教育改革の中心的役割を果たしてきた。本学会が今後、医学教育学会などとの連携を進めることで、多職種連携教育などの進展が期待される。日本の新しい6年制薬学教育も概ね順調に進んでいるが、海外への情報発信不足は否めない。国際学会への参加や論文発表を通じた国際交流を強化することが、グローバル化に対応できる若手人材育成に繋がる。本学会が、社会から真に信頼される薬剤師やファーマシスト・サイエンティスト(研究能力を身に付けた薬剤師)の育成に大きく貢献できることを願っている。
2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大により社会活動が激変し、大学も未曾有の事態に直面したが、本学会大会は担当大学のご尽力によりWeb開催された。編集委員会では、危機的状況下における薬学教育実践例の収集・提供を使命とし、特集「COVID-19パンデミック下での薬学教育~レジリエントな教育システム構築に向けて~」を発行した。
薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)は、2022年に医学・歯学と同時改訂され、2024年より各大学で実施されている。本学会では、現在、ワークショプを開催するなど改善に努めている。
超高齢化社会が進み、薬の専門家としての薬剤師の役割は一層明確になってきた。今、薬系大学の教職員、学生、薬剤師に求められるのは「6年制薬学教育の責任と矜持(自信と誇り)」である。薬学・薬剤師の社会的評価を高めるために、輝ける未来に向けて、関係者の更なる自覚と覚悟を期待したい。
質の高い薬剤師の養成を目指して、6年制薬学が2006年4月にスタートした。日本薬学教育学会は、新しい薬学教育の発展・充実に向け2016年8月に設立され、薬学教育に関する研究の充実発展及びその成果の普及を目指してきた。
本学会は、重点事業として学術大会の年次開催と学会誌「薬学教育」の発行を掲げて活動している。学会誌「薬学教育」は、薬学教育およびその関連領域に関する論文掲載を目的とし、J-STAGE電子ジャーナル公開システムを利用して2017年6月より刊行を開始した。2018年1月には、前年の掲載論文を冊子体にまとめ第1巻を発行、会員に配布した。本学会の特徴は、薬学教員、病院・薬局薬剤師、企業、行政など多職種の薬学人が参画していることである。
一方、日本医学教育学会は50年の歴史を有し、医学教育改革の中心的役割を果たしてきた。本学会が今後、医学教育学会などとの連携を進めることで、多職種連携教育などの進展が期待される。日本の新しい6年制薬学教育も概ね順調に進んでいるが、海外への情報発信不足は否めない。国際学会への参加や論文発表を通じた国際交流を強化することが、グローバル化に対応できる若手人材育成に繋がる。本学会が、社会から真に信頼される薬剤師やファーマシスト・サイエンティスト(研究能力を身に付けた薬剤師)の育成に大きく貢献できることを願っている。
2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大により社会活動が激変し、大学も未曾有の事態に直面したが、本学会大会は担当大学のご尽力によりWeb開催された。編集委員会では、危機的状況下における薬学教育実践例の収集・提供を使命とし、特集「COVID-19パンデミック下での薬学教育~レジリエントな教育システム構築に向けて~」を発行した。
薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)は、2022年に医学・歯学と同時改訂され、2024年より各大学で実施されている。本学会では、現在、ワークショプを開催するなど改善に努めている。
超高齢化社会が進み、薬の専門家としての薬剤師の役割は一層明確になってきた。今、薬系大学の教職員、学生、薬剤師に求められるのは「6年制薬学教育の責任と矜持(自信と誇り)」である。薬学・薬剤師の社会的評価を高めるために、輝ける未来に向けて、関係者の更なる自覚と覚悟を期待したい。