講演情報

[SS1-2]薬学生が目指す産官学民の地域活動

米倉 知乃 (帝京平成大学 地域連携部)
〇略歴:
2021年 帝京平成大学薬学部薬学科入学
2021年 地域連携部入部(設立年)
2022年 地域連携部事務就任
2023年 地域連携部副代表就任
2024年 地域連携部代表就任
2024年 なかのヘルスケアコミュニティ設立
2025年 帝京平成大学薬学部薬学科5年次
〇本文:
 地域連携部は、2021年度に薬学部の先生方に応援を頂き、当時4年次であった先輩を中心に設立された。当初はサークル活動であったが、大学からの許可を受け、2023年度に部活動へ昇格となった。地域連携部は主に薬学部生が所属し、『地域に対していいことをする』という理念を掲げて薬育活動及び地域活動に参画し、薬剤師免許を持たない薬学生が地域住民に対し、何かできることはないかと模索するような部活であると認識している。コロナウイルス禍を経て入学した世代である私たち学生は、どこか他者との関わりを嫌悪しているように見えたが、先生方・先輩に導かれ、年次が上がるごとに知識・他者との話し方といった姿勢を身に付け、成長を重ねている部員が多いのではないかと感じている。
 2024年度に代表に就任し、より勢力的な地域活動をと考えた際、2023年度四季祭(大学祭)で実施した『健康茶房』が好評であったことから、定期的な『健康茶房』の開催を目指した。中野区地域支えあい推進部地域活動推進課が執り行っている『区民公益活動推進基金からの助成:チャレンジ基金助成』へ応募し、厳正な評価の結果『なかのヘルスケアコミュニティ』として立ち上げが可能となった。地域医療・地域活動へ参画している先駆者の方々に、見守り支えていただきながら無事2024年度に開催予定分の『健康茶房』を実施することができた。
 『健康茶房』では、健康茶を片手に学びと団欒の場として、一緒に健康を目指すヘルスケアコミュニティとして開催している。定期的に開催し、何か困った時に相談できるひとつの候補となるように、地域に根付くことができるようにと模索を続けている。団欒の場としての開催はできているように感じるが、ヘルスケアコミュニティとしての継続・地域貢献性の実現性については、現在の課題である。何にも縛られることのない学生という特権を最大限活用し、学生だからできること・学生だから気付くことのできる着目点を大切に、『健康茶房』の行きつく先を模索していきたいと考える。
 本シンポジウムでは、『なかのヘルスケアコミュニティ』設立から産官学民の『健康茶房』開催に至るまでの経緯、そしてこれらに基づく経験・考え方について薬学部生視点で報告する。