講演情報

[SS1-3]地域活動と多世代連携~こころよく われにはたらく仕事あれ・・啄木より~

福田 英二・岡田智利(スギメディカル株式会社 介護ソリューション部)
牧野 紗希 (株式会社CoMediCs 営業部介護サービス課)
〇略歴:福田 英二
福岡県出身72歳。まだまだ元気な、もう少し元気でいたい前期高齢者。精神医療15年、開拓農業15年、老年介護15年、地域づくり10年。
1972:九州大学医療技術短期大学部 看護科卒業 精神科病棟勤務
1985:鹿児島県出水市うとんさこ開拓入植 開拓農業と有機栽培
2004:江戸川区老健施設めぐみ勤務開始 老人介護とヘルパーとの出会い
2014:暮らしの保健室かなで設立 地域づくりの始まり
2016:白岡市地域包括支援センターウエルシアハウス センター長
2024:中野区鷺宮 スギ薬局鷺宮地域包括支援センター開設
〇本文:
 「地域共生社会の実現に向けて」の厚生労働省の資料では、「我が国では、高齢化や人口減少が進み、地域・家庭・職場という人々の生活領域における支え合いの基盤が弱まってきている。暮らしにおける人と人とのつながりが弱まる中、これを再構築することで、人生における様々な困難に直面した場合でも、誰もが役割を持ち、お互いが配慮し存在を認め合い、そして時に支え合うことで、孤立せずにその人らしい生活を送ることができるような社会としていくこと」が求められている。
 そしてその目指すべき社会とは「このような社会構造の変化や人々の暮らしの変化を踏まえ、制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会」を目指すものである。
 また、社会福祉法に基づく新たな事業(「重層的支援体制整備事業」)の創設では、「市町村において、既存の相談支援等の取組を活かしつつ、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築するため、Ⅰ相談支援 Ⅱ参加支援、Ⅲ地域づくりに向けた支援を一体的に実施する事業を創設する」とある。また、「『属性・世代を問わない相談・地域づくりの実施体制』では、高齢分野・障害分野・子ども分野・生活困窮分野の相談・地域づくりを一体的に執行する」と提案されている。
 昨年スギ薬局では東京都内ドラッグストアとして初めての「地域包括支援センター」を、中野区鷺宮地区に受託・開設した。現在でもなお医療や介護・障がい・福祉の分野では「公的機関が実施するもの」という意識が強い中にあり、まさに厚生労働省が指摘する「制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えつながること」を目指して、営利企業であるスギ薬局自身も中野区と協働して地域社会へ貢献する方向へ取り組みを強化したところである。そして私自身が、中野区内で「暮らしの保健室の運営」や「通いの場の開設」、「中野健幸どまんなか市の共催」「健康茶房の運営」などの活動を通して、「孤立せずにその人らしい生活を送ることができるよう」地域活動を展開している。
 今回のセッションではそうした活動の実践報告をしたい。